著者 : アリソン・グッドマン
竜たちが守護する“天竜の帝国”で政変が起き、真の皇帝カイゴは玉座を追われた。暴虐きわまる前皇帝の弟セソンから逃れた竜眼卿のイオンは男装を解き、少女イオナとして宮城を脱出しカイゴと合流をはかる。だが、イオナはまだ“鏡の竜”の力を制御できずにいた。竜の力を完全にわがものにするため、イオナは囚われの身である鼠の竜眼卿イドを救出し教えを乞おうとするが…竜の声を聞く少女を襲う苛烈なる運命の物語!
イド卿を救出したイオナは打倒セソンに向け態勢を整える。だがイオナを自分の右腕に選び、真摯な想いをぶつけてくる皇帝カイゴと、同じ竜眼卿として力を振るいすべてを支配しようと誘惑するイドとのあいだで、イオナは翻弄されてしまう。そして繰り返し見る先祖キンラの幻影がイオナを悩ませていた。国を守るため、イオナがくだした決断とは…。竜と人の交わりを描く中華風ファンタジイ二部作完結篇。
十二頭の竜が守護する“天竜の帝国”では、竜の声を聞き、自然を操ることができる十二人の“竜眼卿”が皇帝に次ぐ権力を持っていた。隠れた力を見いだされた少女イオナは、男装してイオンと名乗り、男子のみが参加を許される次代の“竜眼卿”を選ぶ儀式にのぞむため鍛錬を積んでいた。やがて儀式の日が訪れるが、彼女は妨害に屈してしまう。だがそこで、思わぬ竜の声を聞くことに…オーリアリス賞受賞の中華風ファンタジイ二部作開幕篇。
長らく姿を消していた幻の竜“鏡の竜”に選ばれて、“竜眼卿”の地位に就いた男装の少女イオン。だが、自分の真の名“イオナ”を叫べという“鏡の竜”の声を否定したために、竜と不完全な絆しか結べずにいた。そして、宮城のあらゆる人間が強大な力を目当てに彼女を利用しようと動いていた。そのなかで、イオンにさらなる試練がおとずれる…オーリアリス賞に輝いた、絢爛豪華な宮城で孤独な闘いに立ち向かう少女の物語。