著者 : アリソン・フレイザー
今さら援助なんていらない。 必要なのは、誠実さと愛。 ハイランド地方に暮らす村娘リオーナは1年前、 アメリカから来たとびきりハンサムな大富豪キャメロンと恋におちた。 繰り返し愛を口にし、一緒にアメリカに来てくれと誘う彼を信じて、 その気になったリオーナは言われるままに仕事も辞めた。 なのに、彼はある日突然姿を消し、二度と戻ってこなかったーー 彼女のおなかに、愛し合った証を残して。 今、生後5カ月の息子を独りで懸命に育てるリオーナの前に、 忘れもしない薄情なキャメロンが再び現れ、訊いた。「僕の子なのか?」 どこかで私に子供がいることを聞き知って、確かめに来たのね……。 ごみのように捨てられたつらさを胸に、リオーナは答えた。「違うわ」 キャメロンが息子の父親だということをどれだけ否定してみても、父と子は否定しようがないほど瓜二つ。結局、彼は息子を婚外子にしないため、結婚して半年だけボストンに住むようリオーナに迫ります。さもなくば養育権を争うという彼の脅しに従うほかなく……。
ホープは18歳という若い身空で結婚したものの、妻を顧みない薄情な夫に悩まされ、やがて離婚にいたった。夫の浮気相手の親友だったことで、二重苦を味わった彼女の心の支えになったのは、夫の弟ガイだった。“ぼくは以前からきみを愛していた”というガイの言葉に接し、その慰めにすがるように、ホープは彼を受け入れてしまった。ふたりで虚空に愛を描いた、たった一度の週末…。12年後、一人娘を育てるホープの前に、ガイが兄の死を告げに現れた。故人の遺言で、彼女と娘はガイの瀟洒な館で暮らさねばならないという。ホープは青ざめたー娘の本当の父親はあなたなんて、今さら言えない!
キャメロンが戻ってきた。でも、今になってなぜ?1年前の夏、リオーナの住むスコットランドの村に、アメリカから大富豪キャメロンがやってきた。ふたりは恋におち、紫色のヒースが咲き乱れる丘の上で、夢のような時を過ごした。だが、ある日突然、彼はアメリカへ帰ってしまった。まもなく彼女は妊娠に気づき、絶望の中でローリーを産んだ。貧しくても、息子を心の支えに生きてゆく決意をしていたのに。再び現れたキャメロンは、彼と結婚して半年ボストンで暮らせば、将来、莫大な遺産をローリーに譲ると言うのだった。ああ、彼に愛されないことを承知で妻になるほかないの?