著者 : アルント・エルマー
別行動をしていたアトランとジェン・サリクはスタルセンの地下洞窟網でふたたび合流した。盲目の隠者という名の樹木生物の攻撃をかわしつつ、従者たちとともに地下中心部をめざして進んでいく。たどり着いた場所には、細胞活性装置に似た巨大な金色の卵があった。卵はアトランとサリクを“祝福された者”と呼んで歓迎の意をしめし、ふたりの助力をもとめてくる。そしてスタルセンの歴史に関する長い物語を語りはじめた!
深淵の地の主要都市スタルセンでは厳格な階級制度が定着し、下級の市民はきびしい生活を強いられていた。それを打ち壊すと決意したアトランは、特権階級市民との決闘に挑むジェン・サリクと別行動をとり、忠実な従者となった深淵の住民チュルチとともに同志集めに向かう。だが、その途中で友愛団と名乗るプシオニカー集団の超能力に捕まってしまい、かれらの本拠である大ダコ形の建物“オクトパス”のなかに拘束された!
ローランドレ偵察隊のうち、クリフトン・キャラモンとレオ・デュルクのペアは、クモ生物のガルウォ種族とコンタクトしたさい、重要な情報を手に入れていた。“ヒールンクスのプラネタリウム”というキイワードだ。それがなんであれ、そこに行けばローランドレについてなにかわかるはず。そう考えたキャラモンとデュルクは、ガルウォの指揮官アルネマル・レンクスとその部下とともに、プラネタリウムをめざして出発した!
太古の昔、砂漠惑星フ=ドゥルナデに双頭の種族スコプが住んでいた。ある日、惑星と種族の滅亡を目前にしたかれらは、スコプの特徴をすべてそなえた一細胞核を宇宙に送りだす。いつか居住可能な惑星が見つかったら、その細胞核からあらたなスコプ種族を発展させるつもりだったのだ。やがて時がたち、細胞核から誕生した女スコプのフ=ドゥルナデがアルマダ中枢からのメッセージを受信し、門閥の母と呼ばれるようになる!
超越知性体“それ”および無数の意識存在が居住する半球惑星エデン2では、平和な時間が流れていた。そんなある日、超越知性体の指示で惑星をパトロールしていた旧ミュータントのタコ・カクタは山間の谷底で奇妙な十二体の生物と出会った。チンパンジーとクマを合わせたような風貌で、童話や伝説に出てくる小人に似ている。ところが、無邪気に見えた小人たちにタコ・カクタが近づいたとたん、おそろしいことが起こった!
ヴィシュナ第四の災いによってテラの植物相は完全な変態を遂げ、人類を攻撃・殺害する危険な植物クセノフローラが蔓延することになった。それが感情エンジニアのガルブレイス・デイトンと環境デザイナーのライ・ヌルゴワの活躍でようやく終息し、安堵したのもつかの間、四次元性の影チュトンがレジナルド・ブルに第五の災いについて予告する。これまでの四つよりさらに恐ろしい第五の災いの正体は“愛”だというのだが!?
猛威をふるった寄生占領地のショックも冷めやらぬテラを、ふたたび銀色の光現象が襲った。謎の異人チュトンによれば、これはグレイの回廊にあらたな穿孔が生じる前兆だという。すなわち、ヴィシュナの第三の災いが予告されたのだ。助けをもとめて“それ”のもとへ行ったエルンスト・エラートはまだもどらず、レジナルド・ブルとジュリアン・ティフラーは不安をつのらせるが、テラでは一見平穏な日々がつづいていた…!?
中国軍はテラニアへ遂に核兵器を使用した。異能者のシドの機転により最悪の事態は免れるが、シドの安否は不明となる。ローダンたちはその混乱で逃げ惑う一般民を収容するため、やむなくテラニアのエネルギードームの出力を切ったが、中国軍もまたテラニアへ侵入してきたため、一時撤退の準備を始めた。一方、金星に不時着していたトーラは、アルコン人の意外な秘密を知る。そして、米国ではクレストが起訴されるが…。