著者 : アンドレ・ピエ-ル・ド・マンディアルグ
刃の下刃の下
愛妻への不可解な殺意に憑かれ、深夜の町を彷徨する男が絡みとられていく倒錯的なエロスの誘惑。三島由紀夫に捧げられた『一九三三年』ほか全六篇の短篇には、透明な鏡に不意に黒々とした欲望の暗渠が映じるかのような、マンディアルグ特有の異様な、しかし詩的で豊穣なイメージ群が横溢する。
薔薇の葬儀薔薇の葬儀
エロスと死、残酷と幻想、毒と禁忌、悪意と愛-マンディアルグの世界は三島由紀夫や谷崎潤一郎との接近によってさらに豊穣な実りをもたらした。神秘的な女主人公の死の儀式を執行する四人の日本女性に捕えられた男の体験を描く「薔薇の葬儀」をはじめとして、作者晩年の傑作を収録した短篇集。
満潮(みちしお)満潮(みちしお)
エロスにはじまり死に終わる生の根源を幻想的光景のなかに鮮烈に描きだすマンディアルグ文学の極致。淫らで猥雑な行為も妖しい官能、高度のエロティシズムとして昇華する。孤高の作家マンディアルグのエロティシズム小説集。
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