小説むすび | 著者 : アン・グレイシー

著者 : アン・グレイシー

聖なる夜に聖なる夜に

貧しくも女手一つで懸命に幼い娘を育てるエリー。ある雪の夜、家の前に見知らぬ男性が倒れていた。記憶喪失の彼を看病するうち、いつしかエリーは彼を愛するように。しかしそれも彼の素性が明らかになるまでのこと。まさか、彼の正体が伯爵とはつゆ知らず…。(『雪のプロローグ』)。もとはレディでありながら家庭教師に身をやつすセーラの前に、思いもよらない人物が現れたー公爵の弟にして“サファイア王”と呼ばれるほど富を築いた大富豪レヴィールだ。かつては愛し合ったのに、セーラを捨て去った男との6年ぶりの再会。彼女の心は複雑に揺れた。だが今、一介の使用人と上流階級の来客という身分の壁に阻まれ、セーラは彼と自由に話すことさえままならないのだった。(『サファイアの魔法』)。男爵の娘ベスは生涯独身を通すと決めている。自分勝手な人間の多い貴族社会にはもううんざりだから。そこで、父が決めた意に染まぬ婚約者をかわすため、幼なじみの貴族ジャックに求婚者のふりをしてほしいと頼み、偽りの婚約劇を繰り広げることに。実のところ、ジャックはベスを本当の妻にするつもりでいるとは思いもせずに。(『クリスマスは伯爵と』)。リージェンシー・ロマンスの名手たちが贈る、愛の奇跡がきらめくクリスマス短篇集!

かぐわしき天使かぐわしき天使

私は家政婦。 舞踏会やオペラなど、夢のまた夢。 天涯孤独のケイトは名家に生まれながら困窮を極め、 働きに出るよりほか、もう生きるすべはなかった。 ある日、亡き母の名づけ親だという年老いた伯爵夫人が訪ねてきて、 みすぼらしいケイトを見るや、孫息子ジャックの邸へ連れていった。 社交界一の美貌を誇るジャックは戦傷を負い、今は隠遁生活を送っている。 私が連れてこられた理由はわからない。でもここで仕事が見つかれば……。 そう願ってケイトが床を磨いていると、そこにジャックが現れた。 「ふざけるんじゃない! 勝手に私の屋敷の床を磨くとは、何事だ!」 怒りの声をあげたジャックは彼女の手をつかみ、じっと見つめた。 ブラシの赤い跡がついた掌を恥じ、ケイトは思わず手を引いたがーー 「半年間ここで賃金なしに、家政婦として働きなさい」伯爵夫人の指示に従うことにしたケイト。半年の勤めを終えたら、伯爵夫人は彼女を社交界デビューさせてやるつもりでしたが、家政婦など不要とジャックは反対で……。心身に傷を抱えた二人の感動ロマンス!

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