著者 : アン・パチェット
不揃いな家族不揃いな家族
1965年、幼いフラニーの洗礼式で彼女の母と警察官の男が恋に落ちたことから、二つの家族は一つになった。二人の母と二人の父、そして六人の子供たちは、それぞれの葛藤を抱えながらも関係を築いてゆく。時に揺らぎ、傷つけあいながらも深く結びつく家族の物語
密林の夢密林の夢
製薬会社の研究員マリーナ・シンは、ブラジルへの出張を命じられる。生殖医療に革命を起こすとされる新薬の開発状況を確かめ、また、現地で病に倒れた同僚の死の詳細を知るためだ。気が進まないながらブラジルのマナウスに飛んだマリーナは、アマゾンの奥地にある極秘研究施設に赴く。そして、昔の指導教授スウェンソン博士との再会をきっかけに、熱気と謎に満ちた密林のなかで、過去の挫折や後悔と向き合うことになるがー『ベル・カント』のオレンジ賞受賞作家による、驚異と希望の物語。
ベル・カントベル・カント
突然、邸内は真っ暗になった。南米のある小国の副大統領官邸がテロリストに占拠された。折りしも、工場誘致のために日本の大手企業社長の誕生パーティが開かれており、出席者は人質となった。オペラ好きな主賓のために招ばれた世界的歌手のロクサーヌ・コスも、各国の要人たちも。幽閉生活が続くうち、人々は奇妙な安らぎを覚えていく。金と名誉を求めるばかりが人生ではないと気づいたのだ。テロリストたちも、実際は貧しい家の子どもだった。知的な大人たちと接して初めて、この世には美しい世界があることを知っていく。やがて、ロクサーヌの歌をきっかけに、人質とテロリストは心を通わせていく。首謀者までが人質に心を開き、官邸には牧歌的な時間が流れるようになる。だが、この平穏な日々が永遠に続くはずはなかった…。人間の根源的な愛とは何かを問いかけるオレンジ小説賞、PEN/フォークナー賞受賞作。
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