著者 : アーサー・マッケン
夢の丘夢の丘
空にはすさまじい赤光があった。イギリスは片田舎の山奥の、その赤光に燃えたつ古代ローマ人砦に独り遊ぶルシアン・テイラーは、作家になる夢を紡いで暮らしていた。だが、こんな田舎にいて何ができよう。夢に憑かれた彼は故郷をあとにする。牧神が逍遥する山々からサバトの街ロンドンへ…。一人の青年の孤独な魂の遍歴を描く、神秘と象徴に満ちた二十世紀幻想文学の金字塔。
怪奇クラブ怪奇クラブ
罪とエクスタシーの作家アーサー・マッケン。イギリス怪奇小説の黄金期を代表する彼の作品は、いずれも妖しいまでの白光に包まれている。本書には、白い粉薬を飲んだがために肉体が溶けてしまう青年を描いた「白い粉薬のはなし」をはじめ、円環をなす一連の奇譚を集めた表題作に、“聖杯”をテーマにすえ、怪奇小説のひとつの終点をも暗示する「大いなる来復」を併せて収録した。
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