著者 : アーナルデュル・インドリダソン
レイキャヴィクのアパートの一室で、刃物で喉を切り裂かれた若い男の死体が発見された。男はレイプドラッグと言われるクスリを所持しており、バーやレストランで出会った女性にクスリを混入した飲み物を飲ませて意識を失わせ、レイプしていた常習犯らしい。被害者による復讐か?犯罪捜査官エーレンデュルが行方不明のなか、同僚のエリンボルクは現場に落ちていた一枚のスカーフの香りを頼りに捜査を進める。世界のミステリ読者を魅了する北欧の巨人の人気シリーズ第7弾。
彼女は湖のほとりのサマーハウスで首を吊っているのを発見された。夫によると二年前に親密だった母親を病で失って以降、精神的に不安定になっていたという。死後の世界に興味をもち、霊媒師のもとに出入りしていたことも判明する。自殺で間違いない。だが本当に?捜査官エーレンデュルは、微かな疑問を抱き孤独な捜査を進める。暴かれる悲痛な過去、明らかになる驚愕の真実に心の奥底までゆさぶられる、北欧ミステリの巨人の好評シリーズ第6弾。
男の子の年齢は十歳前後。地面にうつ伏せになり、体の下の血溜まりは凍り始めていた。アイスランド人の父とタイ人の母の間に生まれた男の子は、両親の離婚後、母親と兄と一緒にレイキャヴィクの住宅街に越してきた。人種差別的な動機による殺人が疑われ、エーレンデュルら捜査陣は、男の子が住んでいたアパートや通っていた学校を中心に捜査を始める。CWAインターナショナルダガー賞最終候補作、世界のミステリ界をリードする著者が現代社会の問題にメスを入れた、シリーズ第5弾。
干上がった湖の底で発見された白骨。頭蓋骨には穴が空き、壊れたソ連製の盗聴器が体に結びつけられている。エーレンデュル捜査官たちは、丹念な捜査の末、ひとつの失踪事件に行き当たった。三十年前、一人の農業機械のセールスマンが、婚約者を残し消息を絶っていたのだ。男は偽名を使っており、アイスランドに彼の記録は一切なかった。男は何者で、なぜ消されたのか?過去にさかのぼる捜査が浮かび上がらせたのは、時代に翻弄された人々の哀しい真実だった。北欧ミステリの巨人渾身の大作。
レイキャヴィクの湿地にあるアパートで、老人の死体が発見された。侵入の形跡はなし。何者かが突発的に殺害し逃走したらしい。ずさんで不器用、典型的なアイスランドの殺人。だが、残されたメッセージが事件の様相を変えた。明らかになる被害者の過去。肺腑をえぐる真相。ガラスの鍵賞2年連続受賞の快挙を成し遂げ、CWAゴールドダガーを受賞した、北欧ミステリの巨人の話題作。
住宅建設地で発見された、人間の肋骨の一部。事件にしろ、事故にしろ、どう見ても最近埋められたものではない。現場近くにはかつてサマーハウスがあり、付近にはイギリス軍やアメリカ軍のバラックもあったらしい。住民の証言の端々に現れる緑の服の女。数十年のあいだ封印されていた哀しい事件が、捜査官エーレンデュルの手で明らかになる。CWAゴールドダガー賞/ガラスの鍵賞同時受賞。究極の北欧ミステリ。