著者 : ア-サ-・チャ-ルズ・クラ-ク
時は31世紀初頭、海王星の軌道付近において、宇宙船ゴライアス号は奇妙な漂流物を発見、回収した。だがそれこそ、はるか一千年前、HALの陰謀によって宇宙船ディスカバリー号から放擲された副長フランク・プールその人であった!やがて地球の軌道都市「スター・シティ」に運ばれ、蘇生させられたプールは、驚嘆すべき科学的進歩にとまどいを隠せなかった-手を触れあうだけでたがいに情報を交換する人びと、とてつもない情報量を瞬時に脳から脳に伝達することも可能なブレインキャップ、慣性場を利用した超高速宇宙エレベーター、高さ三万六千キロの摩天楼最上階の庭園で庭師をつとめる恐竜ラプトル…。だが、こうした驚異を満喫する日々にもやがて終わりが訪れた。ゴライアス号船長から、ガニメデへの旅に誘われたのである。かつて木星の名で知られていた世界には、フランク・プール中佐がやり残した仕事が待っているのだ、そしてかつての僚友デイブ・ボーマンも…。
西暦2109年、火星のアマチュア天文家が太陽に接近しつつある未知の小惑星を発見した。惑星間天文学連合による追加観測の結果、おそるべき事実が判明する。この天体は約240日後に地球と衝突するというのだ。そうなれば爆発の被害はもとより、粉塵による太陽光の遮断と硝酸雨のために、地球は今後数十年間、居住不可能な死の星と化してしまう。小惑星は死と破壊の女神にちなんでカーリーと名づけられた。この危機に際して地球は、最新鋭のマスドライバーを搭載した宇宙船「ゴライアス」に特殊任務を命じ、カーリーへ派遣する。カーリーにマスドライバーを設置してその駆動力で軌道を変え、地球衝突を回避しようというのだ。だが、その計画がいよいよ実行に移されたとき、次々に思いもかけぬ障害が…。宇宙から飛来する鉄槌の一撃をいかにして防ぐことができるのか。現実に起こりうる災厄を、該博な科学知識と迫真のストーリーテリングを駆使して描きあげる、ファン待望のクラーク最新長篇。
謎の知性体によって建造された巨大宇宙船ラーマ3が、火星軌道上で2000人の人類を収容するやただちに太陽系を離れ、恒星タウ・セティめざして旅立ってからすでに3年の歳月がながれていた。このあいだに、ニュー・エデンと呼ばれるようになったラーマ内部の人類コロニーでは、独裁者ナカムラが権力を掌握しすべての反対派を容赦なく弾圧した。ラーマ2探査隊の時からのメンバーであったニコルは反逆罪で投獄され、一方彼女の夫リチャードはニュー・エデンを脱出、やがて隣りあった封鎖居住区に住む共生異星種族と接触し、その助けをかりてニューヨークへと逃れた。ニコルの処刑の日が刻々と近づくなか、リチャードは2体の小ロボットをニュー・エデンに潜入させ、必死のニコル救出作戦を開始したが…。
無事にニュー・エデン脱出に成功したニコルとリチャードは、つぎに友人たちと子供たちの救出を計画し、見事成功させた。だが、独裁者ナカムラは追及の手をやすめず、ついにニューヨークにまで捜索隊を派遣してきた。からくもニューヨークを離れることができたニコルたち一行は、やがて、これまで敵対的と考えられてきた異星種族クモダコの驚異の都市-エメラルドの都に迎え入れられた。驚嘆すべき生物工学を発展させてきたクモダコたち…だが、ナカムラに率いられた人類戦闘部隊は、シリンダー海をこえてクモダコの領土に侵入、エメラルドの都へと近づきつつあった。
2130年に太陽系外から忽然と現われた謎の飛行物体。ラーマと名づけられたこの物体は、長さ50キロ、直径20キロの巨大な宇宙船と判明した。だが、人類が初めて遭遇した異星の構築物は、その目的もわからぬうちに太陽系を去っていってしまった。そして70年後、第二のラーマが太陽系に現われた。ラーマとそれを建造した異星人の正体を探りだすべく派遣された調査隊は、謎を解明できぬまま地球に帰還した。だが、宇宙のいずこかをめざして飛びつづける第二のラーマ内部には、調査隊員三人が取り残されていたのだ。さまざまな辛苦を重ねて生き延びていたニコル、リチャード、マイケルが、旅路の果てに見た驚くべきものとは。
遥かなる未来、地球は砂漠に覆われ、以前は隆盛をきわめていた世界各地の都市も無人の廃墟と化している。かつては宇宙を自由にかけめぐり、華麗なる文明を築いていた人類もいまは見る影もなかった。ただひとつダイアスパーだけが最後の都市として、ほそぼそと生き延びていた。永遠の生命をもっているダイアスパーの住人は、すべての労働を機械にゆだね、安楽で満ち足りた日々をすごしている。だが、ダイアスパーで七千年ぶりに生まれた子供アルヴィンは、変化のない生活に飽きたらず、外の世界を探険しようと都市の境界をめざしていくが…。巨匠クラークの名作『銀河帝国の崩壊』を第1部とし、クラークの描いた壮大な世界を、ハードSFの第一人者ベンフォードがあらたに展開した傑作未来叙事詩。
西暦2130年に、忽然と太陽系に現われた謎の飛行物体。ラーマと名づけられたこの物体は金属製で、長さ50キロ、直径40キロ、自転周期4分の巨大な円筒型の宇宙船ということが判明した。しかし、異星人の構築物は人類の理解をはるかに超え、正体の解明に至らぬままラーマは太陽系を去っていった。そして70年後の2200年、第二のラーマが太陽系に姿を現わした。SF史上に燦然と輝くアーサー・C・クラークの名作『宇宙のランデヴー』で解明されぬまま残された謎に、地球人類がふたたび挑戦する、ファン待望の続篇。
アメリカ海軍の最新鋭ミサイルがテスト中にフロリダ沖で行方不明になったらしい。マイアミ・ヘラルド紙の女性記者キャロル・ドースンは特ダネをスクープするため、証拠を得るべくフロリダで行動を開始する。船をチャーターしたキャロルは見当をつけた場所に船のクルーとともに潜り海底を探すが、そこで見つけたものは沈没船の財宝の一部と思われる金色に輝く不思議な形をした物体だった。だが、彼女たちが持ち帰った物体は沈没船の財宝でもなければ、金でさえもなかった。はたして金色の物体の正体とは?そしてカモフラージュされた珊瑚礁に隠された秘密とは?巨匠クラークがNASAのエンジニアであるジェントリー・リーと組み、今までとは違う新たな境地を拓いた最新長篇。
2057年、人類はついに低温核融合の動力炉、ミューオン駆動による宇宙船の実用化に成功した。以前には不可能だった探査旅行も、この新開発のミューオン駆動宇宙船ならば実現できる。今こそ人類は新たなる冒険に旅立てるのだ。巨匠クラークが、読者の熱烈な要望に応え、代表作『2001年宇宙の旅』、世界的な大ベストセラー『2010年宇宙の旅』に続いて、奔放な想像力と正確な科学知識を駆使して描き上げた待望の最新長篇。