著者 : ウィルバー・スミス
ローデシア生まれの英生物学者ダニエルは、野生象保護の実態を撮るため、故郷のチウェウェ国立公園を訪れる。しかしそこには、象牙の密売を裏で操る台湾大使、チェンの魔の手が伸びていた。公園管理主任ジョニーの一家も、チェン一味に惨殺される。無二の親友を奪い、自然を破壊する悪の組織に復讐を誓うダニエル。彼の長い長い闘いが今始まった…。
ニューヨークに住むベストセラー作家のクレイグ・メローは、華やかな世界に疲れ、新作の筆も滞っていた。そんなある日、彼は世界銀行の男から、新作の取材を兼ねて秘密の仕事を依頼される。メローの祖国ジンバブエで最近行なわれている大規模な象牙の密猟。そして、ソ連と結んだ1派が同国で進めているというクーデター計画。この2つの不穏な動きを探ってほしいというのだ。祖国への郷愁を捨て切れぬメローは、その依頼を引き受ける。だが、女性カメラマンのサリー=アンと共にジンバブエに赴いた彼を待っていたのは、邪悪な死の罠だった。
ジンバブエは揺れ動いていた。白人支配を脱して独立を果たしたものの、2つの部族の権力争いが激化していた。その抗争の中に巻き込まれたメローは、密猟とクーデターの首謀者である政府高官の手によって国家反逆の汚名を着せられ、故郷に再建した牧場を没収されてしまう。そして、からくも逃亡に成功した彼とサリー=アンを狙って、暗殺部隊が差し向けられてきた…。広大な原野と暗黒の洞窟に繰りひろげられる白熱の逃亡と追跡!男たちの野望と闘い、友情と愛をサスペンス溢れる筆致で描き上げる、ベストセラー作家の冒険アクション巨篇。
地底深くに眠る黄金の鉱脈、それは欲望と野心に燃える男たちをとらえてはなさない魔力を秘めているかのようだった。新鉱山所長となったロッドも策謀に巻き込まれ、破断層への掘削を部下に命じた。だがその地層こそは多量の地下水を貯えた禁断の地層だった。大自然の脅威にさらされた南アフリカの金鉱山を舞台に、男たちの闘いを活写した冒険巨編。