著者 : エセル・M.デル
愛の鎖愛の鎖
司祭館で秘書として働くフランシスは、過酷な労働に疲れ果てついに病に倒れてしまった。司祭の甥モンターギュのとりなしも虚しく司祭館を追い出された彼女は田舎の牧場に静養に出かけたが、後を追ってきたモンターギュとの恋の行方に心は乱れていた。そんな彼女の前に現れた一人の男。近くのテザーストーンズ農場を取りしきるその男は、謎めいた眼差しで彼女を捕らえた。“テザーストーンズ”-鎖の石。忌まわしい言い伝えが残る呪われた土地で、フランシスは恋の迷路をさまよい始める。
峡谷の鷲峡谷の鷲
敵に四方を包囲され、援軍を待ちわびるロスコー准将の部隊は、もはや命運もつきかけ、餓死寸前の状態に追い込まれていた。娘ミュアリアルの身を案じたロスコー准将は、士官たちに問う。「もしもの時には、娘を射殺してくれるだけの勇気のある者はいるだろうか」と。「お嬢様のためなら地獄も通り抜けましょう」そう答えた男の瞳には、不敵ともいえる豪胆な光が宿っていた。ニック・ラトクリフ-孤高の鷲を思わせるこの男の手に、ミュアリアルの命は委ねられた…。
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