著者 : エドワード・ゴーリー
世界大戦勃発の危機をはらむ陰謀を阻止する唯一の鍵は 「三十九階段」という謎の言葉ーー ヒッチコック監督が映画化したスパイ小説史上不朽の名作が カルト的人気を誇るエドワード・ゴーリーの 魅力的なイラストをまとい蘇る! 第一次世界大戦前夜の英国。南アフリカから帰国し、退屈しきっていたスコットランド出身の青年リチャード・ハネーのもとに謎のアメリカ人が来訪する。数日後、彼は死体となって発見された。殺人の容疑をかけられ、追われる身となったハネーだが、ヨーロッパを世界大戦に巻き込む大いなる陰謀を知り、これを阻止すべく立ち上がる。そして追いつ追われつの大冒険に……。 スパイ小説の原点ともいうべき傑作がエドワード・ゴーリーの魅力的なイラスト入りで蘇る。
天使像が持つ木製のトランペットを吹き鳴らしたら、いったい何が起こるのか。幽霊を探索に深夜の教会に忍び込んだ2人の少年の冒険を描く「トランペット」。ある暑い夏の日、ロンドンの喫茶店で出会った中年男がべらべらと語り続ける同居女性の失踪話に薄気味悪さがにじむ「失踪」。銀行を馘になった若者が大金持ちの伯父御用達デパートの売場巡りに乗り出す「お好み三昧──風流小景」。エリザベス一世の時代に生まれ、350年の歳月を生きてきた老女の誕生日に、田舎のお屋敷に招かれた少女が受けた意外な提案とは……「アリスの代母さま」ほか全7篇を収録。 老人と幼い子供のみが垣間見る生と死の秘密、月下の幻想、辛辣なユーモアと軽妙なウィット。詩人ならではの繊細な描写に仄かな毒と戦慄がひそむ短篇の名手デ・ラ・メアの傑作を清新な新訳で贈る。挿絵=エドワード・ゴーリー。 失踪 トランペット 豚 ミス・ミラー お好み三昧ーー風流小景 アリスの代母さま 姫君 訳者あとがき
典型的な幽霊屋敷ものから、悪趣味ギリギリの犯罪もの、秘術を上手く料理したミステリまで、奇才ゴーリーによる選りすぐりの怪奇小説アンソロジー。古典的名作「猿の手」(W.W.ジェイコブズ)、「信号手」(C.ディケンズ)も収録。すべての作品に「何か」を予想させる、かなり怖いゴーリーの描き下ろし挿絵付き決定版。