著者 : エラリー・クイーン
鋭敏な推理力を持つ引退した俳優ドルリー・レーンは、ニューヨークの路面電車で起きた殺人事件への捜査協力を依頼される。ニコチン毒を塗ったコルク球という異様な凶器が使われた、あまりにも容疑者が多い難事件から、ただひとりの犯人Xを指し示すべく、名探偵は推理と俳優技術のかぎりを尽くす。巨匠クイーンがバーナビー・ロス名義で発表した、本格ミステリ史に燦然と輝く〈レーン四部作〉の開幕を華々しく飾る、傑作中の傑作。
犯罪学の講師になったエラリーが、学生たちと推理を競う「アフリカ旅商人の冒険」、サーカスの美姫殺しを扱った「首吊りアクロバットの冒険」、切れ味鋭いダイイングメッセージもの「ガラスの丸天井付き時計の冒険」、『不思議の国のアリス』の登場人物に扮した人々が集う屋敷での異様な出来事「いかれたお茶会の冒険」など、名探偵の謎解きを満喫できる全11編の傑作が並ぶ巨匠クイーンの第一短編集。初刊時の序文を収録した完全版。
ニューヨークの競技場〈ザ・コロシアム〉に二万人の大観衆を集めておこなわれたロデオショウの公演。馬による大迫力の追跡劇の最中、銃声が轟き、硝煙がたなびく! 次の瞬間、先陣を切る西部劇の英雄バック・ホーンの命は絶たれた! だが不可解なことに、本人のものを含めた四十五挺の銃の中に、凶器となった銃はない。客席にいたクイーン警視とエラリーは、眼前で起きた大胆きわまる犯罪に立ち向かう! 〈国名シリーズ〉第六弾。
ご近所同士のバーベキューで起きた諍いから、夫は妻を殺し、その夫も後を追うように自殺。 どこか不自然な、しかし他に結論が出そうにないなか、ちょっとした疑問と仮定から、事件は思わぬ方向へねじれていった。
エラリー・クイーン・ファンクラブ会長が自らセレクトした「知られざる」クイーンの一面。ミステリファン必読のコレクション! 高層ビル内で殺人事件。これが大停電によって容疑者たちは死体とともにビル内に閉じ込められる。犯人の再攻撃も考えられる中、警察も踏み込めない状況で、隻眼の探偵は論理的に事件と犯人を絞り込んでいく。
小学校教師アン・ネルソンを三年ぶりに訪ねてきた母親。別れた父親が手にした遺産の話をし、毒づいて帰っていった。その二カ月後、父親が「自殺した」と連絡を受ける。これによってアンは父親のその遺産を相続することになったのだが、そもそも父親は自殺するような人間ではない。アンは真相をつかむべく行動に出たのだが、さまざまな「障害」が彼女とその遺産の前にたちふさがっていた。
北大西洋に突き出したスペイン岬。その突端にあるゴッドフリー家の別荘で、殺人事件が起きた。休暇中のマクリン判事のもとに遊びに来ていたエラリーはその捜査に付き合わされることに。国名シリーズ第9弾。
出版社の経営者であり、切手収集家としても有名なカーク。彼が外からエラリーと連れ立って帰ると、一人の男が全てが逆さになった密室状態の待合室で死んでいた。謎だらけの事件をエラリーが鮮やかに解決する
カナダでの休暇からもどる途中、山火事に遭遇したクイーン父子。身動きが取れなくなったふたりが見付けたのは、薄気味悪い雰囲気が漂う屋敷だった。初めは使用人に追い払われたものの、主人であるゼイヴィア博士の好意で、泊まらせてもらえることに。しかし翌朝、書斎で博士の射殺体が発見される。右手の指には半分にちぎれたトランプが挟まっていた。エラリーがダイイング・メッセージに挑む“国名”シリーズ第7弾!
NYで華々しく幕を上げたロデオ・ショー。大スターのホーンが、大勢のカウボーイたちを率いて颯爽と馬に乗って登場。天に向かって一斉に銃声をとどろかせた瞬間、ホーンの体は馬上から滑り落ちた。クイーン警視とエラリーは、すぐさま会場を封鎖するが、凶器はどこにも見つからない。2万人の大観衆が見守る中、いかにして犯行は為されたのか。そして全く同じ状況で第2の殺人が起こり…!?大人気“国名シリーズ”第6弾!
ウェスト・ヴァージニアの田舎町、アロヨで不可解な“T”だらけの殺人事件が発生。死体はT字路にあるT字形の標識に磔にされ、その頭部は切り落とされていた。さらに被害者の家の扉には、血塗られた不気味なTの文字がー。エラリーは単身捜査をするが、真相は分からずじまい。だが半年後、再び奇怪な“T”にみちた殺人事件の知らせが届き…。サスペンスあふれる展開と緻密な推理で人気を誇る“国名シリーズ”第5弾。
盲目の大富豪・ハルキス氏の死が全てのはじまりだったー。葬儀は厳かに進行し、遺体は墓地の地下埋葬室に安置された。だが直後、壁金庫から氏の遺言状が消えていることが発覚する。警察の捜索の甲斐なく、手掛かりさえも見つからない中、大学を卒業してまもないエラリーは、棺を掘り返すよう提案する。しかし、そこから出たのは第二の死体で…。天才的犯人との息づまる頭脳戦!最高傑作の誉れ高い“国名シリーズ”第4弾。
オランダ記念病院の見学席から手術を見守るエラリーの前に運ばれてきた患者。だが、シーツをめくると彼女は絞殺されていた。被害者は病院の創設者である大富豪。目撃証言から、犯行が可能だったのは執刀医だけに思われたが、彼は何者かが自分に変装したと主張する。その言葉通り、犯行に使われたと思われる一足の靴が見つかるが、様様な不審点があり…。エラリーの論理と分析が冴えわたる「国名シリーズ」第3弾。
NYの五番街にあるフレンチ百貨店。そのショーウィンドウに展示された格納ベッドから女の死体が転がり出た!殺されたのは百貨店の社長夫人。そのハンドバッグからは不審な白い粉が入った娘の口紅が見つかり、娘は夫人の死と相前後して失踪していた。状況から娘が犯人かと思われたが…。皮肉屋で愛書家の推理作家、エラリーが膨大な手掛かりから唯一の真実に迫る。華麗さを増す名推理。“国名シリーズ”第2弾。
ブロードウェイのローマ劇場で異常事態が発生。劇の進行中に、ほぼ満席状態の観客席から男の毒殺死体が発見されたのだ。騒然とする劇場に颯爽と現れたのは市警きっての名捜査官リチャード・クイーン警視。そしてその息子で、推理作家にして天才探偵のエラリー・クイーン。劇場から忽然と消え失せた被害者のシルクハットの謎を追う!ミステリ史に残る大傑作“国名シリーズ”が、新しいエラリー像と決定的訳出で華麗に開幕。
私立探偵サム元警視を訪れた奇妙な七色の髭の男。何百万ドルもの価値がある秘密に繋がる手がかりの入った封筒を預かってほしいというその依頼が、一同をかつてない悲劇へと導いていく。消えた警備員の謎、シェイクスピアの貴重な稀覯本すりかえ事件、不審な愛書家、そしてサムの美貌の娘ペイシェンスに危機が迫る時、元俳優のレーンの推理は…?!いよいよクライマックスを迎えるドルリー・レーン四部作、新訳完結編。
満員電車の中で発生した殺人事件。被害者のポケットからは、ニコチンの塗られた針が無数に刺さったコルク球が発見された。群衆ひしめく巨大なニューヨークで続く第2、第3の大胆な殺人にも、目撃者はいない。この難事件に、聴力を失った元シェイクスピア俳優ドルリー・レーンが挑み、論理的で緻密な謎解きを繰り広げる。20年ぶりの決定版新訳でよみがえる、本格ミステリの不朽の名作。
サム警部のもとに現われた七色のひげの男が預けていった手紙の謎は? シェークスピアの古文書をめぐる学者たちの争いは、やがて発展して、美人のペーシェンスを窮地におとしいれ、聾者の名探偵レーンを巻きこむ。謎また謎の不思議な事件つづき。失踪した警官の運命は? ロス名義の名作4編の最後を飾る、ドルリー・レーン最後の名推理。