小説むすび | 著者 : エリザベス・ビーコン

著者 : エリザベス・ビーコン

子爵の身代わり花嫁は羊飼いの娘子爵の身代わり花嫁は羊飼いの娘

子爵の花嫁のふりをする私ーー ベールを脱げば、ただの灰かぶり。 マーサは幼い頃、上流階級にのし上がりたい父方の祖父から “不義の子”の烙印を押され、邪魔とばかりに屋敷を追い出された。 今は農場でかいがいしく羊の世話をする毎日を送っている。 そんなある日、祖父の手元に残された異母妹が、 さる子爵と政略結婚させられそうになっていることを知る。 だが妹には別に恋人がいて、子どもまで身ごもっているらしい。 姉妹は外見がそっくりなので、婚約披露の舞踏会から結婚式までの1週間、 マーサに時間稼ぎをしてもらっている間に駆け落ちしたいと妹は言う。 妹の幸せを願い、マーサは身代わり花嫁として祖父の屋敷へ向かったーー 新郎の子爵ザカリーと会い、一目で激しく心を揺さぶられるとも思わずに。 姉妹の違いは髪の色だけ。赤毛のマーサは妹と同じ濃い褐色に髪を染めると、妹のメイドを伴って一路祖父の屋敷へ。婚約者ザカリーはまるでヴァイキングのようにたくましく聡明な男性でした。こんなにすてきな人がなぜ、評判のよくない成り上がり者の孫娘などと結婚しようとしているのか不思議に思うマーサでしたが……。

知られざる公爵夫人知られざる公爵夫人

うち捨てられた花嫁は、 小さな命を守り続けた。 ついに見つかってしまった。でも、娘の存在は知られていないはず……。 辺境の地で馬上の夫と遭遇したロザリンドは、必死で動揺を押し隠した。 今や公爵となった夫アッシュは駆け落ちした8年前より魅惑的だが、 人が変わったように傲慢な口調で正式な離婚を要求してきた。 次は君とは正反対の、平凡で従順な妻を娶るつもりだと言って。 ロザリンドは手続きを進めることに同意し、大慌てで帰宅した。 しかし、愛娘のジェニーは遊びに行ってしまっていたーー よりによって、アッシュが泊まる宿の馬小屋に。 ひと目でジェニーを我が子と悟り、アッシュは前言を撤回した。 「あの子をとりあげられたくなければ、僕と一緒に暮らすんだ」 公爵領へ向かう道中、反発し合いながらも強烈に惹かれ合い、めくるめく夜を過ごすふたり。互いへの誤解は解けぬまま到着した領主館でジェニーが命を落としかけ、ふたりの心は急速に近づいて……。幼すぎたひたむきな恋が8年越しに昇華する、熱く切ない愛の軌跡。

不実な貴公子と最後の花嫁不実な貴公子と最後の花嫁

子爵家のはぐれ者の素顔は、 あまりにも気高く、哀しかった。 放蕩貴族のふりをして、彼は命がけで祖国を守っていたというの? 悪名高い遊び人ジェームズの秘密を偶然耳にしたロイナはうろたえた。 ロイナが住み込みで働く屋敷に負傷したジェームズが運び込まれ、 悪魔のようにハンサムな彼が夜ごと夢に現れだした矢先の出来事だった。 話を聞かれたと気づき、ジェームズはロイナの寝室に現れたーー 人目を忍んで、屋敷じゅうが寝静まった真夜中に。 ところが、寄り添って話すふたりの眼下で人影が動き、 ジェームズは険しい表情でロイナに告げた。 「ぼくのせいで、きみの身にも危険が迫っているらしい。 ぼくたちは結婚しなければならないーーきみの命を守るためにも」 横暴な夫の死後も姑に支配されて苦しんできたロイナは、ジェームズの求婚を即座に断ります。しかし、彼の巧みな誘惑には抗う術もなく……。『家政婦と不機嫌な子爵』『侯爵と男装のシンデレラ』『疎遠の妻と憂いの領主』関連作、心とろける魅惑のフィナーレ!

疎遠の妻と憂いの領主疎遠の妻と憂いの領主

ずっとあなたを愛してた。 そのひとことが、言えなくて……。 良家の子女に仕えるお堅い教師キャリーには秘密があった。 17歳で情熱のおもむくまま駆け落ち結婚をして子供を産み、 やがて夫と別居したまま9年も経ってしまったなんてーー さえない私が貴族の奥さまだなんて、自分でもほとんど忘れかけている。 果てしない雑務の合間に外出したある夏の昼下がり、 キャリーはあまりのショックに意識を失い、道端に倒れこんだ。 目の前に突然、馬を駆る夫が現れたのだーー 夜ごと夢のなかでキャリーを悩ませる、罪なほど魅惑的なギデオンが。 彼は馬から飛びおりると、妻のそばにひざまずいてつぶやいた。 「やっと君を見つけた。ひさしぶりだな、レディ・ラフレイン」 ふたたび強く惹かれ合いながらも、素直になれないふたり。互いに誤解を抱いたまま、形ばかりの復縁を果たしますが……。幼すぎた花嫁、引き裂かれた純愛、運命の再会ーー『家政婦と不機嫌な子爵』『侯爵と男装のシンデレラ』関連作、切なくも美しい十年愛です!

侯爵と男装のシンデレラ侯爵と男装のシンデレラ

英国一、結婚嫌いの放蕩侯爵。 英国一、侯爵夫人に程遠い娘。 両親を相次いで亡くし、17歳で路頭に迷ったポリーは うち捨てられた城に住み着き、男物の古着を身につけて、 畑仕事や家畜の世話をしながら幼い弟たちを懸命に育てていた。 だがある日突然、見るからに高貴で美しい男性が目の前に現れる。 この人が、英国有数の富と権力を持つというマンテーニュ侯爵? 悪名高い放蕩者が、ついに自分の城を顧みる気になったというの? ふたたび住む場所を失う恐怖にさいなまれながらも、 ポリーは勇気をかき集めて古城の当主に向き合った。 「まずはそのすばらしい脚を大事にしまって、ドレス姿に戻ることだ」 侯爵の熱い瞳に見据えられ、甘い衝撃がポリーの全身を貫いた。 なぜか城に住み続けることを許されたポリーたち姉弟と、寄せ集めの使用人たち。奇妙な同居生活が続くうち、侯爵に強く惹かれていくポリーでしたが、彼の心は固く閉ざされていて……。『家政婦と不機嫌な子爵』関連作、甘く切ないシンデレラ・リージェンシー!

家政婦と不機嫌な子爵家政婦と不機嫌な子爵

家政婦と子爵の十年愛を阻むのは、 身分の差だけではなかった……。 家政婦クロエは、亡き雇い主の親族で子爵のルークと久々に再会した。 ふたりは10年前に身分の差を超えて惹かれ合っていたが、 無制限の手当つきでという愛人契約をクロエが拒んで以来、 徹底して顔を合わせずに過ごしてきたのだ。 今、雇い主の葬儀に駆けつけた彼を見た瞬間、彼女は心をかき乱された。 ルーク……いいえ、子爵閣下。そう呼ばなくては。 どれだけ想っていても、彼とは一線を引くべき理由があるから。 長い時を経て、愛しのルークから今度は正式に求婚されるが、 それでもクロエは断ったーーすべては、娘ではない“娘”を守るために。 亡き雇い主は10年前、赤ん坊を連れた自称“未亡人”のクロエの素性を深追いせず、身の上話に無理があるのを承知で雇いました。そして遺書で、クロエの“娘”の父親を探すよう、ルークに使命を与えていて……。切ない真実と恋のゆくえをどうぞお見逃しなく!

雪の伯爵とシンデレラ雪の伯爵とシンデレラ

結婚なんて私には縁がない……。 愛も夢も、あの日に封印したから。 きっちり結った髪に、灰色のさえないドレスの住み込み家庭教師ーー そんなソフィにも、人生でただひとり、心から愛した人がいた。 8年前、愛するピーターの父に、住んでいた屋敷を出ていくよう迫られ、 ソフィはやむにやまれず彼と別れて、自活する道を選んだ。 彼と別の女性の結婚予告が出されたのを知り、あまりにつらかったから。 以来、名前を変え、結婚もあきらめて、ひっそり暮らしてきたが、 雇い主から、母のいない娘のためにと名ばかりの結婚を提案された。 愛なんて無縁の私が結婚? でも、かわいい教え子のためなら……。 一歩踏み出すべきか迷いつつ迎えたクリスマスイブの前夜、 吹雪のなか屋敷へと向かってくる人影に気づき、ソフィは声を失った。 ピーターことシルボーン伯爵の冷たい瞳が、そこにあったのだ! 物心ついたときに母は亡く、父とも死に別れたソフィの人生は孤独でした。唯一愛したピーターとの恋からも泣く泣く身を引いた彼女に幸あれと願うばかりですが、彼との再会は穏やかではなく……。エリザベス・ビーコンが描く、出色のシンデレラ・リージェンシー!

孤独な公爵の花嫁探し孤独な公爵の花嫁探し

華麗な舞踏会でただひとり 踊れず座る、壁の花……。 おてんば娘のジェシカは少女の頃からジャックを兄のように慕っていた。 夏の嵐のなか不運にも落馬して左足に大怪我をした彼女は、 将来の希望を失ったーー足の悪い娘なんて誰からも望まれない、と。 舞踏会でろくに踊れず壁の花となっていたジェシカに声をかけたのは、 両親を早くに亡くし若くして公爵となったジャックだった。 跡継ぎを望む祖母に結婚をするよううるさく言われ、 とうとう開くことになったハウスパーティへ彼女を招待したいという。 一瞬ジェシカの胸はときめいたが、すぐに自分は場違いだと考え直して 泣く泣く辞退すると、ジャックは見下したように尊大に言い放った。 「そばにいてほしい。君と正反対の女性を公爵夫人にしたくなるように」 英国摂政期をこよなく愛する英国人ロマンス小説家、エリザベス・ビーコンの日本デビュー作をお贈りします。長年想いを寄せてきたジャックから投げつけられた辛辣な言葉に、ジェシカはショックを隠せず手を震わせ……。傲慢な公爵の“花嫁探し”の展開やいかに?

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