著者 : エリザベス・ホイト
貴婦人のコンパニオンを勤めるフレイヤは、没落した公爵家の娘で、実はイングランドの女性の自由を守る秘密結社“ワイズ・ウーマン”のメンバー。ある任務を果たす最中、ハーロウ公爵クリストファーに15年ぶりに再会する。幼い頃フレイヤは家族が離散する憂き目に遭ったが、その原因となる事件に関わったのが彼だった。一方クリストファーは、突然馬車に乗り込んできた女性が、なぜ憎しみの目を向けてくるのか不審に思う。その夜以来、気づけば彼女のことばかり考えていた。二週間後、パーティで顔を合わせた二人。クリストファーの手には、フレイヤの兄がかつて身につけていた指輪が光っている。彼は兄の親友だったのだ。それなのに…真相を知ろうとするうち、いつしか二人は情熱のうずに巻き込まれていく。“グレイコート”シリーズ第一弾。
秘密結社“混沌の王”に拉致されてしまったアイリス。友人のカイル公爵に恨みを持つ結社が、彼の花嫁だと誤解してさらったのだ。人ちがいだと訴えても、彼らがやすやすと解放するはずがない。もめていたところ、結社の一員でオオカミのマスクを被った男が彼女をもらい受けると言って隠れ家から連れだした。彼を信用できないアイリスは、乗せられた馬車にあった拳銃の引き金を必死の思いで引く。肩を負傷し倒れた男のマスクを外すと、かつて舞踏会で会ったダイモア公爵だと判明した。公爵は捜査のために結社に潜入していたという。そして“混沌の王”の追っ手を振り切るためには、自分と結婚するしかないと彼女に迫るのだが、突然のことにアイリスは…。“メイデン通り”シリーズ、ついに完結!
カイル公爵ヒュー・フィッツロイは、晩餐会に出席した真夜中の帰り道、暴漢に襲われた。そこに現れたのが「セントジャイルズの亡霊」と呼ばれる謎の人物。二本の剣を操る身軽な「亡霊」はヒューを助け、キスをしたかと思うと、たちまち姿を消した。「亡霊」は女性だった。自分を襲わせたのは誰なのか?晩餐会で目撃した密着のやりとりが関係しているのか?謎の秘密組織“混沌の王”が黒幕か?調査を進めるため、ヒューはセントジャイルズの情報屋の少年、アルフを呼び寄せる。ところがこのアルフこそ、「セントジャイルズの亡霊」だった。男装することで身を守って貧民窟で生き抜いてきた彼女は、正体がばれたのかと警戒しながら公爵に会いに行くのだが…。大人気“メイデン通り”シリーズ、新展開の第11巻!
モンゴメリー公爵バレンタインはギリシャ彫刻のように美しいが、放蕩者で邪悪な人物だと噂されている。ハウスキーパーのブリジットがバレンタインに仕えることになったのは、彼が屋敷に隠している秘密の品々を見つけて運び出すという使命を負わされたためだった。その品をもとに、上流階級の人々がおどされていると聞いている。ある日、室内を探っているところをモンゴメリー公爵に見つかってしまったブリジット。しかし、使用人とは思えない気品と知性のある彼女に興味を抱いた公爵は、処分を言い渡すことはなかった。いつしか二人は、会話を交わすことを楽しみにするようになる。そして互いの生い立ちの複雑さを知って、心の傷を癒やすかのように惹かれ合うのだが…大人の愛を描いて大人気の“メイデン通り”シリーズ第10弾。
公爵の異母妹イブは平穏な毎日を望んでいた。外出はせず、細密肖像画を描き、小さな屋敷で静かに暮らしていたいと。それは心の傷を思い出さないようにするためだった。しかし、兄の代理でハート庭園の持ち主エイサ・メークピースのもとを訪ねたときから、彼女の生活は一変する。古びた庭園と園内の劇場を再建するため、イブの兄から資金の提供をうけていたエイサに、その出資の打ち切りを告げるのが彼女の役目だった。反発しあう二人だったが、エイサはイブの孤独な陰がどうしても気になってしまい、ほうっておけない。また、イブも彼の劇場に賭ける情熱とたくましさに魅せられる。少しずつ心を通わせていくなか、イブはエイサに絵のモデルになってほしいと依頼して…“メイデン通り”シリーズ第9弾。癒やしと再生の愛の物語。
公爵家令嬢フィービーに、護衛として常に付き添うトレビロン大尉。目が不自由なフィービーを見守り、手助けすることが彼の任務だ。自らの境遇を受け入れ明るく前向きに生きている彼女の姿に心を打たれ、トレビロンはひそかに思いを寄せるようになっていた。そんなある日、彼が同行していたにもかかわらず、外出先でフィービーが何者かにさらわれてしまう。トレビロンは、間一髪で彼女を救い出せたものの、責任を感じて辞職を申し出る。フィービーはその時、彼が護衛としての役割以上に、自分の孤独に寄り添い、身も心も守ってくれていたことに気づく。ところが、トレビロンが彼女の前から立ち去ってしまった数日後、再びフィービーは誘拐される。それを知ったトレビロンは…。大好評“メイデン通り”シリーズ第8弾!
人気舞台女優として活躍するリリーは、雇い主に頼み込み、火事で焼け落ちた劇場跡に住まわせてもらっていた。ある日、リリーは庭園で庭師のアポロと出逢う。声を失っている彼は、ある事情から名前も身分も隠しながら、かつて自分が手がけた大切な庭園の再建に努めていた。リリーはアポロと筆談で交流を重ねるうちに、彼の庭園に対する真摯な想いや、純粋な瞳とやさしさに惹かれていく。ところが、やがてアポロが声を取り戻したころ、追手から逃れるため彼は突如姿を消してしまった。その一件で、実はアポロが貴族であることを知り、驚くリリー。2週間後、パーティーで偶然に再会したふたりは…。大好評“メイデン通り”シリーズ第7弾!RTブックレビュー“ヒストリカルK.I.S.S.(白馬の王子様)ヒーロー賞”受賞作。
アーティミスは貴族の娘でありながら両親も財産もなくし、親戚で大富豪の伯爵のもとに身を寄せて、従妹のコンパニオンを務めている。ある日、従妹とアーティミスは、ロンドンの貧民街セントジャイルズでならず者に襲われそうになったところを、“セントジャイルズの亡霊”と呼ばれる謎の男に助けられた。去り際に彼が落としていった印賞付きの指輪を、アーティミスはひそかに保管する。男の正体は、ウェークフィールド公爵マキシマス。彼は爵位を守るために、伯爵令嬢との結婚を考えていたが、自分が落とした指輪を令嬢のコンパニオンであるアーティミスが持っていることを知る。そして、アーティミスと言葉を交わすうちに、マキシマスは聡明で凛とした彼女に心惹かれていく。その後、マキシマスが私邸で開いたパーティーで、二人の関係は急接近し…。
侯爵令嬢メグスはロンドンの貧民街セントジャイルズで婚約者を殺され、スキャンダルを避けるためゴドリックと便宜結婚をする。形だけの夫婦となった二人は、顔を合わせることもせず、メグスは夫の田舎の領地でひっそり暮らしていた。あれから二年ーメグスは婚約者の命を奪った“セントジャイルズの亡霊”の正体を暴き、仇を討つために、ロンドンに住むゴドリックの屋敷を訪れた。ゴドリックは、病気がちだった前妻を亡くしてから固く心を閉ざし続けていた。しかし、明るくはつらつとした妻メグスと接するうちに、哀しい過去を乗り越えようとしている自分に気づく。もう二度と誰かを愛することなどないと思っていたのに、彼はメグスを心からいとおしく感じはじめていた。ゴドリックは彼女をまもるために全身全霊を捧げることを誓う。なぜなら彼は…。「メイデン通り」シリーズ第5弾!
街に夜ごと現れる、謎に包まれた“セントジャイルズの亡霊”。ある晩、馬車を走らせていた貴婦人イザベルは、けがを負った“亡霊”を見つけて屋敷に連れ帰る。夜明けを待たずに姿を消した正体不明の男性に、イザベルはどこか不思議な魅力を感じた。その数日後、彼女を含む貴婦人たちが支援する孤児院の経営者で、庶民男性の心優しいウィンターを社交界入りさせるため、イザベルが指南役となる。会話やダンスの手ほどきを重ねるうちに、互いの孤独な心に気づき惹かれていく二人。しかしウィンターは、身分が高く美しいイザベルを前に自分の気持ちを押し殺していた。しかも彼には、誰にも言えない秘密があったー。レッスンの成果を試すため、二人でオペラハウスに出かけた夜、“亡霊”が現れたという噂を聞きつけたイザベルが思わずその姿を追いかけると…。
令嬢ベアトリスは、屋敷に飾られた英雄レノーの肖像画に恋をしていた。ところがある日、戦死したはずの彼が突然帰還!肖像画からは想像もつかない、変わり果てたその姿にベアトリスは…。珠玉の“四人の兵士の伝説”シリーズ、完結編!
悪名高き盗賊王ミッキー・オコーナーの豪奢な屋敷を訪ねた、若く美しい未亡人サイレンス。彼女が慈しむ養女メアリーが、孤児院からミッキーによって誘拐されたのだ。養女を取り戻すため、勇気をふりしぼって盗賊王に直談判したところ、メアリーは彼の実の娘であること、そしてその娘の命が何者かに狙われていると打ち明けられた。メアリーが心配なあまり、サイレンスは彼の屋敷が付き添うことに。ミッキーの傲慢で不遜な態度に反発する毎日だったが、ある日、美しい声で娘に子守歌を聴かせる彼の姿があった。盗賊王の優しく繊細な心を知り、一人の男性として次第に惹かれていくサイレンス。彼もまた、悲しい自分の過去に耳を傾け、涙を流してくれる慈愛に満ちたサイレンスに激しい熱情を募らせていた。ある晩二人は華やかなオペラハウスへと出かける。二人きりの席で甘いひとときを過ごすも、屋敷へ帰ることそこには…。