著者 : エレノア・ウェブスター
どれほど彼を愛していても、 私は公爵夫人にはなれない……。 住み込みの家庭教師アビーは、公爵ランズドーン卿に反感を持った。 娘を社交界に出したい彼女の雇い主が、遠縁の彼に後ろ盾を請うたのだが、 彼の顔には貴族特有の礼儀正しい無関心が浮かんでいるのだ。 社交界でも最上流の彼には、貧しい家の事情なんてどうでもいいのね! 一方のランズドーン卿は、時代遅れの地味な姿をした家庭教師の 歯に衣着せぬ物言いに面食らっていた。 貧しい遠縁の娘を社交界デビューさせるなど面倒きわまりない。 いや、しかし待てよ。いいことを思いついた。 彼は社交界デビューの手助けをすることをアビーの雇い主に告げた。 「ただし、一つ条件が……アビーにも社交界デビューをしてもらいたい」 社交嫌いのアビーはランズドーン卿の突飛な提案をしぶしぶのむことに。初めは彼の高慢さに反発していたアビーも、気づけば彼の瞳に表れた知性や情熱、そして左頬に浮かぶえくぼに胸をときめかせるようになっていて……。必読のシンデレラ・リージェンシー!
地味で目立たぬ灰かぶり娘に、 突然求婚した伯爵の真意は……? 母が突然病死したあと、サラは父に引き取られて田舎にやってきた。 そこで冷ややかに迎えられ、彼女は物語を書いたり、 困っている動物を助けたりして孤独を紛らわすのが習慣になった。 今は父も亡くなり、まるで修道女のようにつましく暮らしていたある日、 人数合わせのために呼ばれた隣家の夕食会で、 黒髪に顔だちの整ったラングフォード伯爵セバスチャンと出逢う。 翌日、狐を助けようと危険を冒して増水した小川を渡っていたところ、 身を挺して救ってくれた彼に、サラは人生初の胸のときめきを覚えた。 すると彼が驚きの言葉を告げた。「君が必要ーーいや、結婚してください」 だがそれは、口のきけない娘の世話をしてほしいという意味で……! 亡妻の愛人に誘拐され、心を閉ざしてしまった娘のために便宜上の結婚相手を探しているヒーロー。次に妻になる女性には愛情を持たないつもりでいる彼に恋してしまった日陰のヒロインの運命は?!それぞれ傷ついた心を抱えた登場人物が織りなす、感涙必至の物語。
落ちこぼれの私では貴族の妻になれない。 どんなにあなたを愛していても。 ダンスは壊滅的に下手、流行のドレスや装飾品には興味なし、 お茶会で気のきいた会話もできないーーレティは母の悩みの種だった。 そんな彼女は、誰にも言えない秘密の二重生活を送っている。 男性に扮し、医師として村の人々の命を日々救っていたのだ。 そんなレティのもとに、診てほしい妊婦がいるという手紙が届いた。 患者の兄は、レティの初恋の人アンソニー卿だった。 医師を続けたいなら、淑女の私を知る彼に会うのは危険すぎる。 男装を見破られたら、家族までとんでもない醜聞に巻き込んでしまう。 でも、苦しむアンソニー卿の妹を見捨てるわけにはいかない。 それに何より、彼に会いたい気持ちを抑えておけなくて……。 エレノア・ウェブスターの邦訳デビュー作をご紹介します! 男装してまで医師として人々に尽くすヒロイン。戦争で体と心に深い傷を負うヒーロー。二人は不器用ながらも距離を縮めていきますが、村の名医が実は彼女だったと知られた瞬間、すべては壊れーー。