著者 : カリー・アンソニー
私と赤ちゃんは日陰の存在でもいい。 あなたが我が子と認めてくれれば。 ヴィクトリアがサンドロというすてきな男性と一夜をともにしたのは 横暴な夫との死別後、新しい一歩を踏み出したかったからだった。 前の結婚では子供ができなかったのに、妊娠するとは思わなかった。 サンドロに知らせようとした彼女は仰天した。彼は王族だったのだ! 宮殿からの返答は非情なものだったーー “経済的な援助はするが、今後いっさい会おうとするな” 赤ん坊と生活していくため、ヴィクトリアは条件をのむしかなかった。 だが1年9カ月後、突然サンドロが彼女の家を訪ねてきた。 「僕は妊娠も出産も知らなかった」そして母と子を国に連れ去った。 華々しい日本デビューを飾った大型新人作家の第3作をお届けします。ヒーローから「国に連れてきたのは君と子供を守るため」と言われたヒロイン。現実的な解決策として結婚を提案されますが、承諾できません。それは愛のない結婚に傷ついた過去があるから。
こんな形で婚約指輪をはめるなんて……。 彼女は人生の残酷さに涙した。 家が隣同士の幼なじみであるイブとゲイジは、 周囲の反対を押し切り駆け落ちしたが、仲を引き裂かれた。 イブの父の悪巧みで、ゲイジが若い娘を騙したという噂を流されて。 7年後、イブは一族の会社を倒産の危機から救うため、 冷酷な富豪となったゲイジに助けを求めるほかなくなった。 彼が提示した条件はーーイブが彼の婚約者を演じること! 取引先の企業の経営者が厳格な人物のため、 自分のいわれなき汚名をすすぐ必要に迫られたという。 イブは、かつての愛情ではなく怒りの宿る彼の目を茫然と見つめた。 『大富豪と折れた翼の青い鳥』で華々しく日本デビューを飾ったカリー・アンソニー。今回お届けする彼女の作品は『ロミオとジュリエット』と『嵐が丘』のいいとこ取りのような贅沢でドラマティックなロマンスです。大型新人作家の第2弾をご堪能ください。
ギリシア富豪の情熱は、 無垢な花嫁の、愛の蕾を開かせた。 横暴な父親と兄に虐げられてきたシーアは、23歳になり、 牢獄のような生家から解放されたが自由になれたわけではなく、 強いられた結婚という、新たな鳥籠へ移された。 夫は、ギリシアの若き海運王、クリスト・カラス。 ハンサムで恐ろしく頭の切れる彼は妻の自由への渇望を見抜き、 結婚で得られる相続が完了すれば、離婚に応じると言った。 シーアはそのときを夢見てクリストの完璧な妻を演じたが、 夜ごと夫の愛の技巧に触れ、いつしか思い知るようになる。 囚われているのはもうこの身ではなく、心なのだと。 新作家カリー・アンソニーの登場です! 結婚式を終えた直後に逃亡を図るヒロインと、美しい妻を逃しはしないと阻止するヒーロー。緊張感あふれる冒頭から、いっきに引き込まれます。大型新人作家による日本デビュー作、どうぞお見逃しなく!