著者 : カーラ・コールター
これは現実じゃないわーー 白馬の騎士なんて、いるわけないもの。 ある日マディが働くカフェに、二人連れの男性客が現れた。 二人とも明らかに場違いな印象だが、とくにそのうちの一人、 深い海のようなサファイアブルーの瞳の彼にマディは目を奪われた。 この町の人ではないし、普通の観光客でもなさそうね……。 彼はワードと名乗ると、町の案内をしてほしいと申し出た。 同僚のウェイトレスも誘って4人で出かけることにしたが、 人の多い場所へ来たとき、雑踏の中で誰かがワードを見て叫んだ。 「エドワード王子よ!」彼が、かの王国のプリンスですって? すると、ワードは突然こう言って、さらにマディを驚かせた。 政略結婚から逃れるため、僕と期限付きで結婚してくれないか、と。 可愛くて楽しいロマンスが人気のカーラ・コールターが放つ、読み応えたっぷりのシンデレラ・ストーリーです! カフェでスコーンを焼くだけが取り柄だったマディが、不慣れな異国の宮殿で暮らすことに。持ち前の優しさと快活さで乗り切ろうと奮闘しますが……。
赤ちゃんという幸福を、 本当はふたりで迎えたかった……。 ケイド、私の夫。彼が家を出ていってから、もう1年以上。 ジェシカは別居が続く夫との関係に終止符を打とうとしていた。 彼に会って離婚のための書類にサインをしたあとは、 身寄りのない赤ちゃんを引き取って、ひとりで育てていくつもりだ。 望んでも叶わなかった、母になるという夢をようやく叶えられる。 2度の流産後もなお子供を切望する私といつしか気持ちがすれ違い、 ケイドはそんな私を見捨てて去っていった。 だから、彼を心から愛していても、もう別れるしかないと覚悟を決めた。 そして、ふたりで会う約束をした日ーー夫と妻として会う最後の日、 彼を待つジェシカの身に、突然、不運な出来事が起こる……。 12歳で母と死別し、心に深い喪失感が残るジェシカにとって、お腹の子を失うのは非常につらい経験でした。それなのに、考えの違いから最愛の夫にまで去られ……。ジェシカを襲った予期せぬ事態に、夫婦の愛と別れの天秤は比重を変えることになるのでしょうか?