著者 : キャスリン・ロス
アリソンが恐れていた日がついに来た。必死に忘れ去ろうとしていた元恋人のルークが現れたのだー彼女が兄弟と営む、傾きかけたホテルへの出資者として。ルークは地元の名家の子息で、魅力の権化のような男性。そしてアリソンを無惨なかたちで捨てていった人…。アリソンはルークと別れてから子どもを産んだが、もうすぐ2歳になる息子の存在を、彼には秘密にしていた。だがルークは巧妙な手段でそれを知り、息子に会わせろと言う。私から奪って自分の跡継ぎにするの?アリソンは不安に怯えた。
アビーは幼い息子と二人きり、孤島で暮らしていた。息子の父親で大富豪のダモンのことはずっと忘れようとしてきた。2年半前、アビーは事業拡大を目論む強欲な父親に利用され、結果として、愛するダモンの家族を破滅へと追いやった。彼は私が裏切り者だと固く信じている。決して赦しはしないだろう。それなのに、突然やってきて、子供のための結婚を迫るなんて!彼はアビーの父親から事業を奪い返し、息子のことを知ったのだという。アビーが父親の片棒を担いでいたと信じているダモンは、今すぐ息子を連れ、彼のシチリアの屋敷へ移るようにと命じた。息子の世話をし、夫のベッドを暖めることが、彼女の贖罪だと言って。
アリシアは社長デックスの秘書として働いているが、いつしか二人の関係は仕事のつき合いを超え、昼は有能なパートナー、夜は情熱的な恋人となった。だが、デックスの子を身ごもっていると知ったとき、喜びと同じくらい大きな不安に、初めて襲われたのだった。デックスは一度も愛を口にしたことがない。そればかりか…アリシアにはひとつ、気がかりなことがあった。会社の出資者の一人で、デックスの元恋人だという女性の存在。もしかしたら私は都合のいい女で、彼はまだ彼女のことを…?女の悪い勘は外れない。アリシアはある夜、その証拠を見てしまう。
4歳になる娘セアラを一人で育てるヘザーは、ある会社の宣伝部長との約束に遅れてしまい、代わりに運よく社長と会えることになった。その社長がライアン・ジェイムソンとは思いもよらなかったー4年半前、あれほど愛しながら妊娠を告げないまま別れた人。もう二度とライアンには会いたくなかったのに。でも、私の企画が採用されれば、また顔を合わせることになる。時間に遅れた理由を話したら、彼はなんと言うだろう?