著者 : キャット・キャントレル
義兄への密かな愛。 たとえ忘れられても、愛してる。 ケイトリンは代理母として産んだ三つ子を育てている。 三つ子の両親である姉と夫の大富豪アントニオの乗った飛行機が墜落、 乗員乗客全員が亡くなるという悲劇が起きたのは1年前。 いまだ家族を突然失った喪失感が癒えないまま、 姉夫妻のものだったマリブの豪邸で暮らすケイトリンの前に、 にわかには信じられない人物がなんの前触れもなく現れたーー 死んだはずの義理の兄アントニオが、三つ子の父親が帰ってきたのだ! 7年前に初めて会ったときから、ケイトリンは密かに彼を愛していた。 彼は生きていた! だが喜びに浸る間もなく、残酷な現実が明らかに。 アントニオは事故の衝撃で記憶喪失になり、彼女のことを忘れていた……。 義妹のケイトリンのことも、亡き妻のことも、自分が三つ子の父親だということも思い出せないアントニオ。かつての彼に戻ってほしくて献身的に寄り添うケイトリンですが、華やかだった姉に比べて地味で控えめな自分は彼にふさわしくないと感じていて……。
マッケナは進学費用を工面するため、富豪の依頼で代理出産した。赤ちゃんには二度と会えないと思っていたが、アレルギーのせいで母乳が必要だとわかり、急遽、父親のデズモンドと3人で暮らすことになる。瀟洒な屋敷でマッケナを迎えた彼はとてつもなくハンサムで、マッケナはたちまち心を奪われてしまう。だがデズモンドは、彼女にはまるで無関心だった。無理もないー彼は自分の遺伝子を受け継ぐ子供が欲しいだけ。3カ月経てば、私は彼らの人生に関われない契約なのだから。よそよそしく遠ざけられたマッケナは傷ついて…。
地中海の島国アルマの王女ベラは落胆していた。父に強いられた、石油王の御曹司ウィリアムとの政略結婚。兄たちのように恋におちた相手と幸せになれたらよかったのに…。そんなときベラは、浜辺で偶然でくわした魅惑的な男性が、驚くことにほかならぬ許婚ウィリアムだと気づく。たくましい体。きらめくアクアブルーの瞳。写真で見た、ハンサムだけれど真面目そうな印象の彼とはまるで違う。なんて快活でセクシーな人なのかしら。にわかに胸躍らせるベラだったが、すぐにそれが勘違いだとわかる。彼の名はジェームズー父が決めた結婚相手の双子の兄弟だったのだ。
世界的に有名な大企業の最高執行責任者、ジェイソン・リンハーストが私の夫ですって?メレディスは突然の知らせに耳を疑った。2年前、メレディスは嵐のような激しい恋におち、結婚式を挙げたーとてつもなくセクシーな“ジェイソン”が、何者かも知らぬまま。だが翌朝、二人は急ぎすぎた結婚を白紙に戻し、それきり別れたのだった。あのとき私が処分したはずの書類が、役所に提出されていたということ?動揺したメレディスがジェイソンのオフィスを訪ねると、結婚がスクープされたせいで破談になったと、彼は怒り心頭だった。「離婚する前に、君にしてほしいことがある」彼は獲物を狙う猛獣のごとく目を光らせ…?!
酒浸りの父と暮らすウエイトレスのVJはある日、道に迷ったフェラーリの男性に声をかけ、息をのんだ。なんてセクシーなの。まるでギリシア彫刻のように美しい人だわ。彼の名はクリス・デメトリアス。有名な映画監督だった。彼に誘われバーで夢のような時を過ごして帰宅すると、不機嫌な父に不良娘と罵られて殴られ、VJは涙をこらえ家を飛び出す。あてどなく歩くうちクリスが現れた。痛々しいあざを見て事情を察した彼に、VJは友達の住む街まで乗せてもらうことになる。道すがら彼は、愛とは単なる欲望で恋愛も結婚も無意味だと意外な持論を展開した。あまりに頑なな彼の言葉に、VJは思わず口走った。「私があなたに恋愛指導をするわ」北米で人気沸騰中!キャット・キャントレルの日本語版デビュー作。愛を知らないギリシア人富豪と恋を夢見る純真なウエイトレスの情熱の行方は?テンポよく繰り出される軽妙な台詞のかけ合いは、舞台劇さながら。超弩級の迫力。