著者 : クラリッセ・リスペクトル
水の流れ水の流れ
「わたしが呼吸する空気のなかで流れてゆくこの瞬間たち、それらは花火のように空間のなかで弾じけて消える。わたしは時間の原子を自分のものにしたい。そして、本性からしてわたしには禁じられている現在を、捉えてみたい。現在は逃れてゆき、わたしは今の瞬間においてつねに現在である。」(本文より) 〈わたし〉から〈あなた〉へ、思考の背後に潜むものを求める言葉の奇蹟。 いまこの瞬間の生を描くという不可能な試みが生み出した、比類なきイメージの奔流。ウルフ、マンスフィールドと並ぶ世界文学の巨匠リスペクトルの極北にして頂点となる作品が、ついに刊行。
ソフィアの災難ソフィアの災難
今、すべてが生まれ変わりつつあった。若者の目覚め、主婦におとずれた啓示、少女の運命、出口を求める老婆ー。日本翻訳大賞受賞『星の時』の著者でありウルフ、カフカ、ジョイスらと並ぶ20世紀の巨匠、死後約40年を経て世界に衝撃を与えた短篇群。
星の時星の時
23言語で翻訳、世界的再評価の進む20世紀の巨匠が生んだ奇跡の文学。 「20世紀のもっとも謎めいた作家のひとり」(オルハン・パムク) 「カフカやジョイスと同じ正殿に属する」(エドマンド・ホワイト) 「オブライエン、ボルヘス、ペソアと並ぶ20世紀の隠れた天才」(コルム・トビーン) 「ブラジルのヴァージニア・ウルフ」(ウォール・ストリート・ジャーナル) 荒野からやってきた北東部の女・マカベーアの人生を語る、作家のロドリーゴ・S・M。リオのスラム街でタイピストとして暮らし、映画スターに憧れ、コカコーラとホットドッグが好きで、「不幸であることを知らない」ひとりの女の物語は、栄光の瞬間へと導かれてゆくーー。
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