著者 : グレゴリ・ベンフォ-ド
衰退しつつある銀河帝国を救う未来予測の理論、心理歴史学を完成させるべく、帝国の首都惑星トランターの大学で研究を続ける天才数学者ハリ・セルダン。首相エトー・デマーゼル(R・ダニール・オリヴォー)によって、皇帝クレオン1世に次期首相として推薦されたハリ・セルダンだったが、できることなら政治などにはかかわらず、大学で研究に専念したいというのが本音であった。一方、心理歴史学を利用して自らの治世の維持をはかろうとしていたクレオン1世も、議会の反対にあい、なかなかセルダンを首相にできずにいた。そんなおり、辺境惑星サークの遺跡から発掘された模造人格2体-ジャンヌ=ダルクとヴォルテールがセルダンの研究室にもちこまれた。2体は、帝都トランターの巨大コンピュータ内の仮想現実に再生されたが、よもやこれが、銀河帝国の根幹を揺るがす怖るべき危機につながろうとは…!?巨匠アイザック・アシモフの遺志をつぎ、現代SFを代表する三人の旗手-グレゴリイ・ベンフォード、グレッグ・ベア、デイヴィッド・ブリンが、見事に再構築した「新・銀河帝国興亡史三部作」、待望の第一部堂々登場。
遥かなる未来、地球は砂漠に覆われ、以前は隆盛をきわめていた世界各地の都市も無人の廃墟と化している。かつては宇宙を自由にかけめぐり、華麗なる文明を築いていた人類もいまは見る影もなかった。ただひとつダイアスパーだけが最後の都市として、ほそぼそと生き延びていた。永遠の生命をもっているダイアスパーの住人は、すべての労働を機械にゆだね、安楽で満ち足りた日々をすごしている。だが、ダイアスパーで七千年ぶりに生まれた子供アルヴィンは、変化のない生活に飽きたらず、外の世界を探険しようと都市の境界をめざしていくが…。巨匠クラークの名作『銀河帝国の崩壊』を第1部とし、クラークの描いた壮大な世界を、ハードSFの第一人者ベンフォードがあらたに展開した傑作未来叙事詩。