著者 : グレッグ・イーガン
技術を発展させた〈孤絶〉内では、ようやく故郷の惑星を滅亡から救う目星がついた。だが、誰も見たことのない母星に、危険を冒して戻る必要はないのではと意見する者も増えている。その中で、未来からの通信を受け取る装置の建設計画が開始されるのだが……。
究極の言語表現を可能にするインプラントTAPを使用していた詩人が、謎の死を遂げた。捜査を依頼された私立探偵が見た真相とは…表題作「TAP」他、奇妙な体外離脱体験を描いた「視覚」、著者の世界観が打ち出された名作「銀炎」など全10編。変わりゆく世界、ほろ苦い新現実。世界最高と名高いSF作家イーガン傑作選。
この世界とは少し違う、別の物理法則に支配されている宇宙。女性科学者ヤルダは世紀の大発見を成し遂げるが、惑星滅亡の危機が判明し……。現代最高のSF作家イーガンの宇宙SF三部作、開幕!
はるかな未来、150万年のあいだ意思疎通を拒んでいた孤高世界から、融合世界に住むラケシュのもとに、使者がやってきた。衝突事象によると思われる惑星の地殻の破片が発見され、未知のDNA基盤の生命が存在する可能性があるというのだ。その生命体を探しだそうと考えたラケシュは、友人パランザムとともに銀河系中心部をめざす!周囲を岩に囲まれ、“白熱光”からの熱く肥沃な風が吹きこむ世界“スプリンター”の農場で働くロイー彼女は、トンネルで出会った老人ザックから奇妙な地図を見せられ、思いもよらない提案をもちかけられるが…現代SF界最高の作家による究極のハードSF。
「この子がわたしの娘なの。生まれるのがほんの何年か遅くなったけれど」-待望の第一子となるはずだった女の子を失った科学者夫婦が選択した行動とは!?子どもへの“無償の愛”を量子論と絡めて描く衝撃の表題作、星雲賞を受賞した数学SFの極北「ルミナス」、著者が追究しつづけるアイデンティティ・テーマSFのひとつの到達点「ふたりの距離」など、本邦初訳2篇を含む7篇を収録する、日本オリジナル短篇集第3弾。
12歳の誕生日をすぎてまもなく、ぼくはいつもしあわせな気分でいるようになった…脳内の化学物質によって感情を左右されてしまうことの意味を探る表題作をはじめ、仮想ボールを使って量子サッカーに興ずる人々と未来社会を描く、ローカス賞受賞作「ボーダー・ガード」、事故に遭遇して脳だけが助かった夫を復活させようと妻が必死で努力する「適切な愛」など、全九篇を収録した日本版オリジナル短篇集。
2034年、地球の夜空から一夜にして星々が消えた。正体不明の暗黒の球体が太陽系を包み込んだのだ。世界を恐慌が襲い、球体についてさまざまな仮説が乱れ飛ぶが、決着を見ないまま33年が過ぎた……。ある日、元警官ニックは、病院から消えた女性の捜索依頼を受ける。だがそれが、人類を震撼させる真実につながろうとは! ナノテクと量子論が織りなす、戦慄のハードSF。著者の記念すべきデビュー長編。訳者あとがき=山岸真/解説=前野昌弘 *第1位「SFが読みたい!」ベストSF1999/海外篇