著者 : サンドラ・シスネロス
サンアントニオの青い月サンアントニオの青い月
移民の町に響く女たちの声 「わたしたちはこの世界を立て直しながら生きていくんだ。人生はこんなふうに生きるものだって感じで、(…)怒りと欲望と、喜びと悲しみと、そしてたぶん、愛も、それで傷つくまで。でも、チクショウ、みんな(ガール)。生きてこうぜ。」(本書より) メキシコからやってきた花嫁、誘拐犯の子を身ごもった少女、自称詩人のメキシコ男に熱をあげるチカーナ、メキシコ革命の英雄サパタを愛した女ーー。希望と挫折が交差するメキシコとの国境の町で、自分自身を生きようとしはじめた女たちの圧倒的な声の集積。ことばが躍り、魂が輝く22の掌篇。 女たちが前向きに生きようとする声は、現代を生きる日本の読者の心にぐっと迫ってくる。読者はいつのまにか、大いに励まされていることに気づくだろう。解説=金原瑞人。
マンゴー通り、ときどきさよならマンゴー通り、ときどきさよなら
金原瑞人氏推薦! 移民文学のバイブル 「いつか、本と紙をバッグにつめよう。いつか、マンゴー通りにさよならをいおう。わたしはあんまり強すぎるから、永久にここに留まらせておくことはできないよ。いつか、わたしは出ていくからね」(本書より) アメリカンドリームを求めて、プエルトリコやメキシコから渡ってきた移民が集まる街に引っ越してきた少女エスペランサ。英語とスペイン語文化が入り混じるなかで育ち、思春期にさしかかった彼女の目を通して、街の人たちのさまざまな夢、日常の喜びと悲しみ、声にならない声を、みずみずしい感性ですくいあげた44の掌篇。 米国の移民社会をリアルに描いた本書は世界各国で翻訳され、年代を超え、世界中で読み継がれている。現在の日本で改めて読まれるべき名作。解説・温又柔
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