著者 : サンドラ・マートン
かわいい息子のことは言えない。 彼にはもう、別の女性がいるのだから。 ローレンはハンサムな上司マット・チャンドラーと恋に落ちた。 彼の所有する豪勢なヨットで初めて体を重ね、愛を誓ったが、 なぜかチャンドラー家を忌み嫌う母に猛反対される。 毒親の巧みな嘘に翻弄されているとは気づきもせず、 若くうぶだったローレンはマットの愛を疑い、別れてしまう。 傷心のまま故郷を離れ、母から彼が結婚したことを聞いた。 再会は3年後ーー。母の葬儀に、なぜかマットが現れたのだ。 彼は別れたときよりさらに魅力的に見え、胸が苦しくなる。 豊かな黒髪とブルーの瞳。3歳の息子と、そっくり同じ……。 S・マートンによる感動のシークレットベビー・ロマンス。冒頭の再会場面から、過去を遡るかたちで二人の愛の軌跡と別れが描かれます。彼が結婚したことも親の嘘と知らないローレンは、息子のことを伝えられるのでしょうか?
カタリーナは幼少のころに両親を亡くし、修道院に入れられた。 21歳になれば両親の遺産を相続し、修道院を出られるーー その遺言を信じて自由のない暮らしにも耐えてきたが、 とんでもない条件が加えられていたことを、最近になって知る。 21歳になって2カ月以内に後見人の選ぶ相手と結婚しなければ、 遺産は相続できず、すぐさま修道院に連れ戻されるというのだ! そして誕生日当日、後見人のジェイク・ラミレスがやってきた。 黒髪に浅黒い肌、傲慢さをうかがわせる整った容貌。 私の運命はこの人が握っているのね……カタリーナは震えた。
セージはある夜、暴漢に襲われたところをケイレブに救われた。ハンサムで凛々しいスーツ姿の彼は正義感溢れる弁護士で、強く惹かれたセージは、家に送り届けてくれた彼と自然に結ばれた。だが翌朝、ある誤解がもとでケイレブは激怒し、去ってしまった。セージのおなかに、小さな命を残して…。3カ月後、二人は意外な形で再会することになる。セージの子を自分の孫だと勘違いした老富豪が、なんとかその子を引き取りたいと、ケイレブに相談を持ちかけたのだ。運命のいたずらによって愛する人にまたも誤解され、セージは打ちのめされた。この子は、あなたの子なのに…。
夜明けの光の中でキャロラインは愕然とした。そこは昨夜初めて会った男性ールーカスの豪邸のベッドの上。大学の同級生ダニーから仕事の代役を頼まれ、“ダニー”としてルーカスの通訳を務めた結果がこれだった。恥ずかしさのあまり、キャロラインは書き置きも残さずに立ち去る。一方、ルーカスは彼女に逃げられた翌日、仲介者から“ダニー”は高級娼婦だと聞かされ、仰天する。まさか、清楚で優美なあの女性が?甘美な一夜を忘れられず、彼女の家を訪ねると、ダニーと名乗って現れたのは、まったく別の女性だった!
フランス語教師のダニエルは、空港待合室で搭乗を待っていた。事の発端は、南仏にいる女優志望のいとこからの懇願の電話。映画関係者の秘書になったが、言葉も通じず困っているという。助ける義理はないものの、憧れの地への誘いは断りきれなかった。空港で緊張していると、リーという男性から時間を訊かれた。彼の優雅な物腰と青い瞳に一瞬で魅せられ、返す言葉がもつれる。わたしの生徒だって、もっとましに振る舞えるはずよね…。自嘲ぎみに思いながら、やがて彼とは別々に飛行機に乗りこんだ。まさかニースで再会し、ひと夏を共に過ごすとは夢にも思わずに。
ララの母と姉は夫に虐げられながらも、生活のために別れられない。 そんな二人を見てきたララの男性不信は根強かったが、 彼女は赤ちゃんがほしかった。それは叶わぬ夢のように思えた。 ある雪の夜、空港で足止めされたララは男性から声をかけられる。 見るからに裕福でセクシーな彼はスレイド・バロンと名乗り、 一夜の戯れにララを誘った。ある決心をして、彼女は受け入れたーー 1年半後、ララはかわいい坊やを産み、ひとりで育てていた。 幸せだったが、ほどなくして、選んだ相手が悪かったことを知る。 一夜では満足できなかったスレイドが富の力でララを捜しだし、 自分そっくりの男の子の存在を知ってしまったのだ! パワフルでワイルドな富豪ヒーローに定評のあるS・マートン。名家出身のスレイド・バロンはプレイボーイを絵に描いたような放蕩者でしたが、息子の存在を知ったとたんに変貌。男性不信のヒロインが、父性に目覚めたヒーローの激しい愛に翻弄されます。
キャリンは、義兄夫婦の結婚記念パーティに出席するため実家に帰った。 失恋のショックでいつの間にかグラスを重ね、酔ってしまったところを、 長身の男性に強くたしなめられ、会場から連れだされた。 黒髪に黒い瞳をもつ精悍なその男性の名は、 ラフェ・エドゥアルド・アルバレスーー世界的な大富豪だった。 キャリンはたちまちラフェに心奪われ、情熱に身を任せるが、 翌朝、自分の行動を恥じ、彼に冷たくしてしまう。 怒って祖国へ帰ったラフェに、やがて知った妊娠を言いだせぬまま、 9カ月後、キャリンは赤ん坊を産んだ。 そこへラフェが突然姿を現し……。 ベスト・ブック・オブ2002と題して、この年に最も話題を呼んだ傑作をお贈りします。一夜の契りを交わした大富豪の要求は、子供のための結婚。シリアスかつドラマチックな作風で人気のベテラン作家、サンドラ・マートンが描く、シークレットベビー物語です。
マリアは宝石デザイナーとして不遇の日々を送っていた。アリスト王国の王妃のネックレスを作る仕事を与えられたのに、傲慢なプリンス、アレックスにその機会を潰されてしまったのだ。彼はマリアを誘惑し一夜をともにしたが、朝がくると、冷酷にも彼女を追い払い、仕事もなかったことにした。だがその2カ月後、王子が突然ニューヨークの彼女を訪ねてくる。国王の命令で、もう一度王妃のネックレスを作れというのだ。しかも契約の条件は、アレックスの愛人になることー冗談じゃないわ!なんて卑劣な人なの。生活が逼迫していて断れないマリアは怒り、抵抗したが、彼は平然とせせら笑い、契約の印だと言って唇をふさいだ。