著者 : ジム・トンプスン
ポップ1280(新装版)ポップ1280(新装版)
ポッツヴィル、人口1280。この田舎町の保安官ニックには、心配事が多すぎる。考えに考えた結果、自分にはどうすればいいか皆目見当がつかない、という結論を得た。口うるさい妻、うすばかのその弟、秘密の愛人、昔の婚約者、保安官選挙…だが、目下の問題は、町の売春宿の悪党どもだ。思いきった手を打って、今の地位を安泰なものにしなければならないー饒舌な語りと黒い哄笑、突如爆発する暴力!人間の底知れぬ闇をえぐり、読者を彼岸へとみちびく、究極のノワール。巻末にトンプスン再評価のきっかけとなった歴史的評論を収録のうえ、新装版で復刊!
内なる殺人者内なる殺人者
銃も棍棒もなしで、丸腰のまま保安官補をつとめる、一見物静かな男ルー・フォード。ウェスト・テキサスの小さな田舎町を牛耳る建設業者コンウェイを義兄の仇とねらう彼は、売春婦を利用し復讐をとげるが、そのために殺人をくり返すこととなり、心に巣食った病的な暴力癖をあらわにしていく…。たしかな人間観察眼によって描かれる「現実味のある異常者」の物語。“安物雑貨店のドストエフスキー”と称され、再評価の声の高いジム・トンプスンの幻の代表作、ついに登場!
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