著者 : ジュリ・スミス
うかつな発言が死をまねくパソコン会議室。女刑事スキップの活躍を描く、MWA受賞シリーズ第四弾!二十七年前に殺人を目撃したことがある-電子会議室にそう書きこみした直後、パソコンマニアのジェフが不自然な転落死をとげた。捜査にあたったニューオーリンズ市警の女刑事スキップは、彼の父親が二十七年前に強盗に殺され、事件は迷宮入りになっていることを知る。ジェフは書きこみを見た何者かに殺されたのか?彼の不審な死と、過去の事件との関係は?殺人犯を追ってサイバースペースと現実世界を往き来し、懸命の捜査を続けるスキップのまえに第二、第三の殺人が起きる。
ニューオーリンズ伝統のジャズ・フェスティヴァルを数日後に控えた四月のある夜、祭りのプロデューサーであるハム・ブロカートが自宅で刺殺体となって発見された。気さくな人柄で誰からも愛されていた彼をいったい誰が?それと時を同じくしてハムの異母妹メロディが忽然と姿を消した。彼女が兄を殺した犯人なのか?それとも殺人を目撃して犯人に拉致されたのか?メロディの行方を捜す女刑事スキップは、やがてブロカート一族にまつわる過去の痛ましい出来事を掘り返すことに。
ニューオーリンズの街を熱くするカーニヴァルの興奮は、山車にのった〈王〉の登場で頂点に達した。そのとき、沿道のバルコニーにいたカウガール姿の人物が腰の拳銃を抜き、おどけた調子で〈王〉に狙いをつけると、引き金をひいた。次の瞬間、〈王〉は床にくずおれた。事件を目撃したスキップ・ラングドン巡査は、被害者を知っていた。学校時代の友人の父親、ニューオーリンズの政財界を牛耳るサンタマン家の主人チョンシー・サンタマンだ。市民権運動の熱心な活動家として人望も厚かった彼が、なぜ?サンタマン家の知りあいということで交通巡査から殺人事件の捜査に抜擢されたスキップは、初めての経験にとまどいと興奮を覚えながら捜査にあたった。だが、旧家の歪んだ人間関係の裏には、思いも寄らない衝撃的な秘密が…。猥雑なエネルギーに満ちた街を舞台に、旧家の悲劇を重厚な筆致で描く、アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作。