著者 : ジュールズ・ベネット
少女時代に、母が石油王の屋敷で住み込みのメイドに雇われて以来、カタリーナはセクシーでハンサムな御曹司ウィルに夢中。だが、願いがかなってデートをするまでになったのもつかのま、ウィルの残酷な言葉とともに、幸福な時間は終わりを告げた。「きみとのことはすべて間違いだった」ばかな私。大富豪の彼とは身分が違うのに…。それから4年。傷心を抱え働く彼女の前にCEOとなったウィルが現れた。官能的な笑みを向けられた瞬間、忘れたはずの想いはあふれだし、強引にキスされただけで彼にすべてを委ねたくなってしまう。雇い主に恋心を抱くなどもってのほかー母の忠告を忘れてはだめよ…。
ケイトは、イーリャ・ベレーザ王国の皇太子ルークのアシスタント。ハンサムな王子様への恋心が報われないとわかっていても、彼のそばにいられれば幸せだった。ところが、先ごろ婚約解消したばかりのルークの休暇に同行した夜、思いがけない出来事が起こる。事故で記憶喪失に陥った彼が、ケイトを婚約者と勘違いしてしまったのだ。甘いささやきと、欲望もあらわな視線。初めてルークの熱いキスを受け、ケイトはいつしか情熱に身を任せていた。まさか、彼の子を身ごもるとは夢にも思わず…。
騙されて全財産を失ったダーシーは、住み込みのナニーに雇われ、大富豪コリンの瀟洒な邸宅を訪れた。出てきたのは、澄んだ青い瞳と官能的な異国の訛りをもつ男性。まあ、なんてすてきな人なのかしら。コリンは妻の死後、幼い娘の育児に追われているという。彼の魅惑の眼差しに翻弄されながらも、ダーシーは毎日ひたむきに働いた。愛らしい赤ん坊と父親は、天涯孤独のダーシーにはまぶしい存在だった。病気で子供を産めない悲しみが、ときおり胸を刺すけれど…。だが、ついに彼と至高の一夜をともにした翌朝、彼女は衝撃の事実を知る。なんとコリンは、身分を隠した地中海の国の王子だったのだ!