著者 : ジョディ・ピコ-
すべては遠い幻すべては遠い幻
ディーリア・ホプキンズ、32歳。幼いときに母親を亡くし、以来父親の手ひとつで育てられた。父の深い愛情に包まれ、何不自由ない少女時代ではあったが、やはり母のいない寂しさは埋めようがなかった。母が生きていてくれたら、とことあるごとに夢見ながらおとなになった。ところがある日、衝撃的な出来事が起こる。父の逮捕。容疑は28年まえの幼児誘拐。被害者はなんと、当時4歳だったディーリア自身。離婚した妻のもとから彼女を連れ出して、28年間、身分を偽り、真実をひた隠しにして生きてきたのだった。ディーリアは激しく動揺する。愛する父が犯罪者?母は生きているの?わたしはほんとうは誰なの?幻のように消えてしまった自分の過去を探る彼女は、やがて苛酷な真実と向き合うことに…。誘拐、アルコール依存、親子関係など、答えの出せないさまざまな問題を読者に突きつける意欲作。
偽りをかさねて偽りをかさねて
漫画家で家庭的な父親ダニエルと、優秀な学者の母親ローラ、そして二人に愛されて育った娘トリクシィ。平凡な一家の穏やかな生活は、ある日突然崩れ去った。14歳のトリクシィがボーイフレンドから暴行を受け、心に深い傷を負ったのだ。世間の冷たい視線にさらされ、彼女の苦しみは頂点に達する。娘をなんとか守ろうとする両親だったが、現実は容赦なかった。事件をきっかけに、一家は思いもよらない真実に次々と直面することとなる。ローラは不貞を告白せざるをえなくなり、一方ダニエルの内部では、遠い昔に葬った荒々しい人格が呼び覚まされる。そして被害者のトリクシィ自身の供述にも、ほころびが生じてくる。三人三様に身にまとっていた偽りがひとつずつ剥がされ、やがて最悪の事態が一家を…。『わたしのなかのあなた』で全米に衝撃を与えた著者による、家族の崩壊と再生の物語。
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