著者 : ジョン・ラッツ
愛らしい妻と幼い息子に囲まれ、デイヴィッドは幸せな生活を送っていた。だが、ある日偶然、前の妻デアドレと再会し、その生活も壊れ始める。彼の心をもう一度つかもうと、デアドレが巧みに誘惑してきたのだ。その一方でデアドレは、彼の妻に対して悪辣ないやがらせを繰り返していった。そして、ついに殺人が…。
「当方、独身白人女性、同居人求む」-アリが出した新聞広告に応じて現われたのは、控えめで気の弱そうな女だった。まさかそのヒドラが、恐るべき狂気を内に秘めていようとは。アパートに越してきたヒドラは、やがてアリとそっくりの服を身につけるようになり、さらに…。ニューヨークを舞台に、大都会の日常に潜む恐怖を描く傑作サイコ・サスペンス。
私立探偵カーヴァーは親友の警部補デソトの依頼で、サンヘヴン老人ホームへ赴く。そこに入居中のこの世を去ったデソトの叔父が、サンヘヴンには不審な点があると生前洩らしていたからだ。初め半信半疑だったカーヴァーだが、なぜか彼の調査は凶悪な犯罪者の妨害を受ける。果たしてサンヘヴンに潜む秘密とは?アメリカ私立探偵作家クラブ最優秀長篇賞に輝く入魂のハードボイルド。
私立探偵フレッド・カーヴァーは、別れた妻と共に暮らす幼い息子との再会を心待ちにしていた。が、もたらされたのは思わぬ凶報だった。息子が何者かに殺害されたのだーそれも手製の火炎放射器の炎を浴びせられて。同一手口の残虐な殺人事件はほかにも発生していた。見分けもつかぬ黒焦げの物体と化した息子を前にして復讐を誓ったカーヴァーは、執念の捜査を開始した。『トロピカル・ヒート』につづく傑作ハードボイルド第2弾。
有能な警官だつたカーヴァーは、強盗に膝を撃たれて杖に頼る身となり、私立探偵に転身した。その彼のもとをエドウィナという美貌の女が訪れた。失踪した恋人ウィリスを探してほしいという。状況証拠はウイリスが海に身投げしたことを示唆していたが、エドウィナは信じない。後女に心惹かれたカーヴァーは捜査に着手したー行手に根深い謎と殺意が渦巻いているとも知らず。フロリダを舞台に感傷的な筆致で描く傑作ハードボイルド。
1週間後には死刑が執行される婚約者の無実を証明してほしい-状況からいってもあまりにもきびしい仕事だ。だが、私立探偵アロー・ナジャーは、不思議な魅力を持つ娘キャンディ・アンのたっての頼みを聞き入れることにした。依頼人の婚約者カーティス・コルトは、酒屋の主人の妻を殺した廉で逮捕されていた。ナジャーは目撃者を訪問し、事件の再構成を始めた。が、何者かが彼を尾け回しはじめたばかりか、目撃者の一人が飼猫を惨殺され、無言の警告を受けるという出来事まで起ったのだ。真犯人が別にいるとの確信を強めたナジャーは、身に迫る危険に怯えながらも事件の裏に隠された秘密に近づいていったが…?人間味溢れる探偵ナジャーの魅力がますます輝く第3作。
深夜ともなると孤独な男女がひそかに語りあう秘密の電話回線-その回線で恋人探しをしていたジェニーン・ボイントンという若い女が、自宅で惨殺された。犯人探しを私立探偵アロー・ナジャーに頼みにきた被害者の双子の姉ジャネットは、妹がそんな生活をしていたことを警察に知られたくないらしい。彼女の言によれば、回線を利用していた女がすでに2人、やはり自宅で殺されているという。殺人鬼が獲物探しにその電話を使っているのだろうか?ナジヤーは、ジャネットをおとりにつかって問題の電話でデートの約束をさせ、犯人をおびき出そうと考えた。だが、調査もろくに進まないうちに、彼の周囲を不気味な大男が威嚇するようにうろつき始め、またも一人暮しの女が無残な死体で発見された…セントルイスの夜を脅かす怪事件の驚くべき真相とは?心優しき探偵アロー・ナジャー、待望の再登場!