著者 : スザンナ・カー
義兄を、男性として愛してしまった。 そして、我が子の父親としてもーー。 ジョディの父が、ギリシア名家の女性と再婚した。 多感な少女は義理の兄となった御曹司ステリオスに憧れ続け、 18歳のとき、ついに兄妹の一線を越え、純潔を捧げた。 だがそれを知った家族はジョディだけを責め、勘当したのだ。 4年後、ジョディはいとこの結婚式のために帰省する。 ステリオスは彼女の存在が式をぶち壊しにすることを危ぶみ、 自分の屋敷に閉じ込めようとするが、突然の嵐で一帯が停電。 暗闇の中、二人はあの夜を再現するかのように体を重ねてしまう。 逃げるようにギリシアを去った彼女のお腹には、新しい命がーー。 まるでギリシア悲劇を思わせるような、ドラマティックな義兄妹のロマンスをお届けします。4年前の過ちを再びおかしてしまう二人。ジョディは逃げるようにギリシアを去りますが、彼女のお腹には赤ちゃんが……。
父の破産をきっかけに、幼いセレナの生活は一変した。夢も希望もない極貧生活のなか、一家をどん底に突き落とした父の仇敵への憎しみを糧に、少女は日々成長していった。そして14年後、セレナに絶好の復讐のチャンスが訪れる。今をときめく実業家、クーパー・ブロックー仇敵の愛息が不正を働いている証拠をつかんだのだ。これさえあれば、ブロックの家名に泥を塗ることだってできる。だが、実際のクーパーを知るにつれ、セレナの心に迷いが生じ始める。彼はたしかに傲慢で冷酷。でも決して曲がったことはしない高潔な人よ。驚いたことに、いつしか憎しみは熱い熱情へと変わろうとしていた。
イザベラはローマの街角のさびれたカフェで、身重の体を抱え、住み込みのウエイトレスとして働いていた。愛するアントニオにいわれのない濡れ衣を着せられ、豪奢なアパートメントから身ひとつで追い出されたあの日、彼の兄ジョヴァンニは、弟の誤解を解いてやると言ったのだ。藁にもすがる思いで彼についていったイザベラは、長年にわたる兄弟間の確執など、知るよしもなかった。ジョヴァンニはイザベラに慣れない酒を飲ませ、そして…。絶望の淵をさまよいながらひっそりと身を隠すイザベラの前に、あろうことかアントニオが現れ、蔑みの形相で驚愕の事実を告げた。「兄は死んだ。そして、なぜか君に莫大な遺産を遺している」『生け贄の花嫁』で鮮烈なデビューを飾った大型新人の新作。イタリア人富豪兄弟の狭間で残酷なまでに翻弄されるイザベラ。いわれなき汚名の元凶となった兄亡きいま、アントニオの愛を取り戻せるのか。そしておなかの子の運命は…。