著者 : ダイアナ・ハミルトン
私は身分違いの招かれざる花嫁。 愛を望んではいけない。 カフェで働くポーシャは、貧しい青年の客に言い寄られ、 熱意にほだされて結婚の約束をした。ところが身ごもった直後、 彼とまったく連絡がつかなくなった。いったい何があったの? ふと手にした新聞の一面を見て、彼女は凍りついた。彼が事故死? しかも、じつはイタリア財閥の次男で、妻までいたなんて……。 秘密裏に出産したポーシャの前に、ある夜、美麗な紳士が現れる。 赤ん坊の伯父にあたるルチェンゾは、ポーシャ母子をイタリアへ 招くために来たのだと、蔑みに満ちた冷たい目で告げた。 本当は息子を奪いに来たのでしょう? この子は私が守るわ。 息子をしっかりと胸に抱き、ポーシャは覚悟を決めた。 今は亡き王道ロマンスの大家、ダイアナ・ハミルトンの珠玉作です。思いがけず大財閥の跡継ぎを身ごもり、密かにひとりで産み育てようとしていたヒロイン。彼女を金目当ての女と決めつけて冷淡に扱っていたヒーローから、不躾に愛のない求婚をされて……。
愛する人との便宜結婚に、 舞い降りる聖夜の奇跡は……? 自分を不器量だと思い込んでいる内気なマティーは、 少女のころから父の共同経営者のジェームズに恋をしている。 彼は“実業界の若き帝王”ともてはやされる男性だが、 クリスマス目前、とつぜん美女との婚約破棄を発表し、 マティーにプロポーズしたのだ。いったいなぜ……? 拒めるはずもなく、マティーは愛する人の花嫁となった。 だが初めての一夜で身ごもったとき、幸せは無残に砕かれた。 夫の元婚約者に「彼は子どもなど望んでいない」と嘲笑され、 マティーは身重の体で家を飛び出してしまうーー。 HQロマンスの人気作家ダイアナ・ハミルトンによる、クリスマスが近づくと思い出す名作をお贈りします。マティーに求婚したジェームズの本当の意図とは……?
婚約者あり。私を嫌っている。 なのに、愛することをやめられない……。 イマジェンの片想いは、絶望的だった。 百貨店王と呼ばれる老富豪のもとで働いているが、 その息子で、会社の有能なブレーンでもあるアレックスは、 イマジェンのことを、父親の財産目当てと決めつけている。 彼にすでに婚約者がいるというだけでもつらいのに……。 何も知らない老富豪は、息子の婚約祝いに屋敷を購入し、 あろうことか、イマジェンに下見に行くよう命じた。 ここが彼の愛の巣になるのね……。ひとり涙に暮れていると、 ふいにアレックスが現れ、「婚約を破棄してきた」と告げる。 長年にわたり多くのファンや作家仲間から愛された、偉大な作家ダイアナ・ハミルトン。惜しまれつつ逝去して10年以上が経ちますが、作品は今も色あせることなく読み継がれています。次回の名作選は、濃密な愛の駆け引きを描く『半年だけ花嫁』です。
小さな村の牧師の娘マーシーは、よその家で家事や雑用を手伝って 弟の学資を稼いでいたが、両親亡きあと、ロンドンで清掃員をしていた。 ある日、偶然見つけた住み込み家政婦の求人に応募して採用されるが、 雇い主は、プレイボーイと名高いイタリア富豪のアンドレア。 男性に不慣れで地味なマーシーは、魅力的な彼に心乱されつつも その気持ちを押し隠して、懸命に仕事に励んでいた。 ある日、アンドレアの会社が作るCMへの出演が決まり、マーシーは驚いた。 彼の会社は宝石などの高級品の広告しか手がけないと聞いているから。 だが撮影日に台本を渡されたとたん、マーシーは屈辱のあまり震えた。 不格好な妻でも、この商品でハンサムな夫の胃袋をつかめる、ですって? しょせん私は、醜いさなぎのまま。美しい蝶には決してなれない。密かに想いを寄せるアンドレアが家政婦の自分をどう見ていたのか、まざまざと思い知らされたマーシーの気持ちが切なくて……。こんな雇用関係の二人が、どのように恋を成就させるのでしょうか?
異国のスペインで自活をめざしていたイジーは、道で倒れた貧しい老人ミゲルを助けたことをきっかけに、彼の家で住み込みの家政婦として働きはじめる。ある日、おそろしくハンサムで裕福そうな男性が訪ねてきた。老人は上機嫌で、甥のカーヨ・アンヘル・ガルシアだと紹介する。イジーは訝しんだ。お金持ちなら、なぜ伯父さんを援助しないの?一方、カーヨはイジーをうさんくさそうに見ていた。まんまと伯父の家に入り込んだこの女は金目当てに決まっている。実は伯父が旧家の出身で大金持ちだと、知らないふりをしているのだ。僕が贅沢をちらつかせて誘惑すれば、すぐ本性を現すに違いない…。
クレオは大手金融機関の頭取ジュードの個人秘書として働き、冷徹で気難しいと評判のボスから厚い信頼をよせられていた。だが、そんなクレオに卑劣な罠が突然襲いかかる。元ボーイフレンドが執拗につきまとい、彼女の弱みにつけこんで、大金を差し出すよう恐喝してきたのだ。心臓に持病のある叔父には、絶対に心労をかけられない。かといって亡父の遺産にはある条件がつけられているため、容易に手は出せない。せめて、あの条件さえ満たせれば…。悩んだ末、クレオはボスに訴えた。「私と結婚してほしいんです」
ケータリング業を営むアンナは、両親との生活を支えるため、妊娠7カ月になった今も休むことなく働いている。ある日、顧客の屋敷で晩餐会のコースを用意した彼女は、ダイニングルームに入ったとたん凍りついた。彼がいる…!おなかの子の父親、フランチェスコが!彼とはイタリア旅行中に出会い、ひと目で恋に落ちた。この晩餐の招待客である“イタリアからの大富豪”が、突然冷たく心変わりして私を捨て去った、最愛の男性だったとは。ふたりきりになると、フランチェスコは険しい目をして囁いた。「たまには本当のことを言ってくれ。ぼくの子なのか?」
ぽっちゃりとして不器量な18歳のジョージアは、決して実らぬ恋だと知りつつも、母の再婚相手の息子ー血のつながらない兄ジェイソンに想いを寄せていた。だがある日ひょんなことから、ひどい濡れ衣を着せられてしまう。彼女が義父を誘惑しようとしたというのだ!愛するジェイソンからも、実の母親からも信じてもらえず、蔑みの目を向けられたまま、失意のジョージアはNYへ…それきり、ジェイソンとも顔を合わせることはなかった。7年後に義父が亡くなり、帰郷することになるまでは。