著者 : ダイスケリチャード
些細なきっかけで、仲の良かったグループからいじめの対象になってしまった高校二年生の祥子。学校にも家にも居場所がない祥子にとっての毎日は、まるで溺れているようで、息苦しい。そんな祥子は、ある日「名前のない」喫茶店を見つける。中に入ってみるとそこには、あたたかな珈琲を淹れてくれるマスターと、個性的な常連客、そして祥子と同じくらいの男子高校生、皐月がいた。誰にも思いを言い出せず、息が詰まりそうだった祥子は、いつしか彼らに自分の犯したある「過ち」を告白。優しく迎えてくれたその喫茶店で、祥子はようやく苦しかった気持ちがほどけていくのを感じ…!?カクヨム×魔法のiらんどコンテスト受賞作。
大崎署の刑事・安西京香は警視庁への昇進が決まっていたが、薬科大生を中心とした服毒自殺事案が発端となり、1年間の休職を余儀なくされた。彼女が密かに行なっていた独自捜査に上層部が目をつけたのだった。京香の復帰は、女子高生の自殺現場への臨場となった。高校生の名前は新崎芽衣奈、現場は自宅寝室。壁には人気アイドルグループ「アリスエイジ」の中心人物・三笠ほのかのポスターが貼られていた。半年前に自殺したほのかを追って、世間では彼女のファンと思われる若者たちの自死が続いていた。解決済みであるはずのかつての事件が、再び京香の中で頭をもたげ始めた…。メビウスの輪の始まりはどこに?真実と心理に迫るアイドル×警察×ミステリー!
「いつでも死ねると思ったら、生きていくのがラクになった」 舞台は薬科大学。何不自由なく青春を謳歌していたはずの男子学生の自殺から、不可解な死の連鎖が始まった。 同じ頃、SNSでは「たった一錠で、痛みも苦しみもなく死ねる薬」があると噂になっていて…。 二転三転する事態に、あなたもきっとダマされる。謎が謎を呼ぶ薬学青春ミステリー、堂々誕生! *第6回「暮らしの小説大賞」受賞作 第1章 テトロドトキシン 第2章 薬理学 第3章 水のないプール 第4章 AV女優の死 第5章 クリスマスの夜 第6章 恋は薬で治せる病 第7章 フラノクマリン 第8章 セリーヌの夢 終章 二本のペットボトル