著者 : テレンス・ファハティ
元俳優で警備員のスコットは、映画会社から調査を依頼された。話題の新作映画の脚本家バートが共産主義者だと指摘する手紙が届いたため、密かに差出人を突きとめてくれという。が、製作発表パーティの夜、バートが他殺体で発見された。殺人と手紙の関連を探るスコットは、事件の裏に潜む醜悪な人間関係に突きあたる…赤狩り旋風が吹き荒れるハリウッドを舞台に、男たちの哀愁が浮かびあがる情感豊かなハードボイルド。
元俳優の警備員スコット・エリオットは、映画監督ドルリーから、撮影現場の警備の依頼を受けた。再起をかけて、自作のリメイクを撮影中だったドルリーだが、その現場で謎の事故が相次いでいるのだという。彼の才能に嫉妬したものの仕業なのだろうか?エリオットは、犯人探しに乗りだすのだが…1950年代の古き良き時代のアメリカを舞台にした、傑作ハードボイルド。アメリカ私立探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。
好奇心が強すぎて神学校の落ちこぼれになっていたわたしは、教授からある課題を与えられた。突然失踪した学生クロズリイを捜せというのだ。敬虔と評判だった級友の足跡を追い始めたわたしは、やがて彼が詩人キーツの末裔を名乗る老女に金策を頼まれていたことを知る。が、その老女が殺され、行方不明のクロズリイに殺人の容疑が。若き神学生オーエンの苦闘を通して不安定な青春の哀歓をリリカルに描く、シリーズ第二弾。
わたしは夢に破れた男だ。念願だった司祭にもなれず、今は友人の法律事務所で調査員をしている。今度の仕事は、四十年前の自家用飛行機墜落の事故状況を探ることだった。事故で兄を失った大実業家の依頼だ。調べるうち、何者かが飛行機に細工していたらしいことが判明した。そして背後に潜む複雑な人間関係も…。過去の深い謎を追う調査員オーエンが見た意外な真実とは?期待の新人が描く、自己再生を賭けた男の物語。