小説むすび | 著者 : デニス・レヘイン

著者 : デニス・レヘイン

運命の日(上)運命の日(上)

第一次大戦末期の1918年。ロシア革命の影響を受けて、アメリカ国内では社会主義者、共産主義者、アナーキストなどがさかんに活動し、組合活動が活発になる一方で、テロも頻発していた。そんな折り、有能な警部を父に持つボストン市警の巡査ダニー・コグリンは、インフルエンザが猛威をふるう中、特別な任務を受ける。それは、市警の組合の母体となる組織や急進派グループに潜入して、その動きを探ることだった。だが彼は、捜査を進めるうちにしだいに、困窮にあえぐ警官たちの待遇を改善しようと考えるようになる。一方、オクラホマ州タルサでは、ホテルに勤めていた黒人の若者ルーサー・ローレンスがトラブルに巻き込まれてギャングを殺し、追われる身となっていた。ボストンにたどり着いたルーサーはコグリン家の使用人になり、ダニーと意気投合する。ある日、ダニーは爆弾テロの情報を得て、現地に急行する。その犯人は意外な人物だった…。大反響を巻き起こした『ミスティック・リバー』『シャッター・アイランド』の著者が、満を持して放つ画期的大作。

運命の日(下)運命の日(下)

第一次大戦は終結した。だがボストンでは、警官の待遇改善に意欲的だった市警本部長が急死し、ダニーの運命は大きく変化する。強硬派の後任の本部長によって、彼はスト破りの部署に異動させられたのだ。1919年のメーデーの集会の後、ダニーは暴行を受け、大怪我を負ってしまう。苦難の中で彼は、コグリン家の使用人だった女性を心から愛していたことを知った。二人は結婚し、ルーサーを含めた固い絆ができあがる。だが、ダニーの名付け親で黒人を憎むマッケンナ警部補が、ルーサーの過去を暴き出していた。マッケンナはルーサーを脅して、黒人の地位向上をめざす組織に壊滅的な打撃を与えようとする。さらに、市警の警官たちのあいだではスト敢行の機運が高まり、大きなうねりとなっていった。そしてついに警官たちはストライキを決行、ボストンは大混乱に陥る。しかも、その騒乱の先には、ダニーとルーサーにさらなる試練が待ち受けていた!動乱の時代のボストンを舞台に、壮大なスケールで描く家族と愛と友情のドラマ。

シャッタ-・アイランドシャッタ-・アイランド

ボストン沖のシャッター島に、アッシュクリフ病院という、精神を病んだ犯罪者のための病院があった。1954年、そこで一人の女性患者が行方不明になり、捜査のために連邦保安官のテディ・ダニエルズと、相棒のチャック・オールが派遣された。行方不明になった女性患者は、鍵のかかった病室から抜け出し、誰にも見られずに姿を消したのだという。そして、病室には「4の法則」という謎のメッセージが残されていた。実はテディには、島へ来る別の重要な目的があった。彼のアパートメントに火をつけて妻のドロレスを殺した男がこの病院に収容されていることを知り、彼を捜し出そうと考えていたのだ。病院側のよそよそしい態度にあいながらも、嵐が接近する中、テディはチャックとともに捜査を進めるが、謎のメッセージがさらに発見され、次々と不可思議な出来事が起きる。そして、ついに想像を絶する真相が明らかに!ミステリ界の話題を独占した傑作『ミスティック・リバー』の著者が、大胆な仕掛けで新境地を切り拓く最新作。

ミスティック・リバ-ミスティック・リバ-

通りで遊んでいた3人の少年に近づいてきた車から降り立ったのは、警官を思わせる男だった。男は3人を叱りつけ、デイヴを車に乗せると、相棒とともに走り去る。あとに残されたジミーとショーンは、遠ざかる車の中に囚われたデイヴを呆然と見送った。四日後、誰もが内心ではデイヴの帰還を諦めていた時、彼は自力で脱出してくる。だが、囚われの4日間に何があったかは、誰の目にも明らかだった。ジミーもショーンも、それを痛いほどに感じていた。25年後、いったんは犯罪社会に身を落とし、今は更生したジミーを、悲劇が襲った。彼の19歳の娘が、何者かに惨殺されたのだ。事件の捜査を担当するのは、刑事となったショーン。そして捜査線上には、かつての友人デイヴが浮上した。必死の捜査を展開するショーン、犯罪社会のコネを使って復讐をはかるジミー、妻にも告白できない秘密を抱えるデイヴ。そして、彼らの家族もまた苦悩する。親を、夫を、子供を、友人を失う畏れに苛まれながら。新たな悲劇の幕は、すでに上がっていた…。

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