著者 : ナタリー・リバース
尊大で自信満々で、とてつもなくセクシー。 ずっと彼と一緒にいたら、恋してしまいそう。 キャリーは育ての親だった伯父夫妻と、従姉夫妻の4人を 事故で一度に亡くし、遺された赤ん坊ダニーを引き取った。 たとえ貧しくても、かわいいダニーがいれば幸せだった。 だが半年後、ダニーの叔父でギリシア大富豪のニックが現れた。 「生活苦の独身女性に大事な甥は任せられない」 なんて傲慢な言い分! キャリーは腹を立てたものの、 ダニーが病気になり、ニックに助けを求めざるをえなくなる。 すると彼の自家用ジェットでギリシアの別荘へ連れていかれ、 信じられないことに……プロポーズされたのだ! ハーレクインの大人気テーマ、“赤ちゃんのための便宜結婚”。実の親の愛を知らず孤独だったヒロインの前に突然現れたのは、世にも麗しい王子様のようなギリシア大富豪でした。かわいい赤ちゃんと共に幸せになることを夢見るヒロインは……?
秘書のクロエは、名家出身のイタリア人実業家の上司、 ロレンツォ・バレンテにひそかに思いを寄せてきた。 億万長者である彼にプロポーズされるとは夢にも思わなかったので、 今日、ベネチアの教会で結婚式を挙げた幸せに身を震わせた。 ところがその夜、クロエが愛の言葉を口にしたとたん、 ロレンツォは激怒して言ったのだ。「この世に愛など存在しない」 良い妻になりそうな彼女をあくまで理性的に選んだだけだと。 クロエは絶望のあまり、彼の瀟洒な邸宅から逃げ出したーー。 3カ月後、イギリスの小さな村で暮らすクロエの前に、 険しい表情を浮かべたロレンツォが姿を現し……。 “愛を欲しがるのは愚か者だけ”--そう信じて疑わない冷酷なボスに恋してしまった純真な秘書。報われぬ想いのゆくえは……? セクシーで波瀾万丈な、愛なき結婚物語!
ケリーは、ロンドンの店に入ってきた男性を見て驚愕した。 ギリシアの不動産王、テオ・ディアコスではないか。 14カ月前、私を紙屑のように捨てた男が、今さら何をしに? おののくケリーに、酷薄な微笑を浮かべて、テオは言った。 「きみの手を借りたいことができてね。連れ戻しに来たのだ」 相変わらずの身勝手な言い分に憤りつつも、ケリーは安堵した。 どうやら“あの秘密”がばれたわけではないらしい。 翌日、脅しまがいの彼の要求に屈し、ケリーはアテネに発った。 密かに生んでいた、テオとの間の我が子を身内に託して。