著者 : ヒキタクニオ
アムステルダムの日本晴れアムステルダムの日本晴れ
ドイツ人彫刻家ブリックの母は母国オランダで死を受け容れようとしていた。無神論者の母に捧ぐ、天に到る「祈りの塔」。しかし、この現場を任せられるのは広大な拡大EUにはいなかった。粋でカッコはいいんだが、浮世から浮きまくっている極東の彼らに頼むしかない。死と鎮魂のテーマを空高く、彼らなら響かせ刻んでくれるにちがいない…。ひねりのきいた笑いとでっかい感動が静かに厳かに読者を包む名作。
人殺しパラダイス人殺しパラダイス
“考えること”をやめていた俺にもたらされた女の啓示「赤い大きなアメリカ女」。シングルに舞い戻った三十男が溺れる冷え切った女の底知れぬ魔性「月光」。女を骨抜きにするホストが落ちた“心が読める”南の島の恋「人殺しパラダイス」…。“心の闇”という名の秘境を探訪する全五篇。
凶気の桜凶気の桜
怖い大人がいねかえら、脳ミソのぱさついた阿呆がのさばるんだ。生まれて来て、すみません、って思いを味わわせてやるー。渋谷に若きナショナリストの結社が誕生した。その名はネオ・トージョー。薄っぺらな思想ととめどない衝動に駆られ、“掃除”を繰り返していた彼らは、筋者の仕掛けた罠にはまっていた。『時計じかけのオレンジ』の冷笑も凍りつく、ヒップなバイオレンス小説。
鳶がクルリと鳶がクルリと
超優良企業の総合職としてバリバリだった中野貴奈子は上司のひと言に魂を抜かれ、辞表を提出。プーの生活から再就職したのは鳶職人の集合体、その名も「日本晴れ」だった。俗世間からずれまくった異能の職人達が挑んだのは難易度特Aクラスの巨大な現代彫刻の取り付けと会社のユートピアの創造だった…。ひねりのきいた笑いとでっかい感動が炸裂!ひたすら面白い娯楽小説の新潮流。