著者 : フィオナ・ブランド
“定められた期限までに、結婚しなければならない”養父を亡くし悲しみに暮れるエヴァに、奇妙な遺言が突きつけられた。10代の頃に判明した疾患で出産も結婚もあきらめていたが、身寄りのない彼女を救ってくれた養父の望みなら、従うほかない。だが、花婿探しは養父の血縁で初恋の大富豪カイルにことごとく邪魔される。そして期日が目前に迫ると彼は言った。「仕方ない。僕が結婚してやろう」ただし、子供は作らないのが条件。本気なの?かつて私を捨てた彼が?でも、彼の逞しい身体も透き通る青い瞳も、初めて恋を知った時のままーエヴァはカイルへの想いに抗えず、結婚を承諾し純潔を捧げた。まさか妊娠が現実となるとは考えもせずに…。
シングルマザーだった母の苦労を身近で見てきたリラの望みは、自分を大事にしてくれる夫と、長く続く幸せな結婚生活を送ること。しかしリラには忘れられない人がいた。2年前に出会い心奪われたゼイン。セクシーな彼は有名なプレイボーイで、理想の夫とはかけ離れている。けれどあのとき、情熱を交わす一歩手前で彼の秘書が現れなければ、母と同じ道をたどっていたかもしれない。もうゼインのことは忘れるのよ。そう誓った矢先、リラはゼインの兄の恋愛スキャンダルに巻き込まれてしまう。マスコミに追われるリラを、フラッシュと質問の嵐から助け出したのはゼインだった。「リラ、ぼくと来るんだ」そしてリラが連れていかれた先は、なんと彼のスイートルームで…?!
コンスタンティン…?!父の葬儀に現れたかつての恋人を見て、シエナは呆然とした。漆黒の髪。たくましい肩。男らしい香りーこれは幻ではない。懐かしさがこみあげた次の瞬間、苦い記憶がシエナを現実に引き戻した。2年前彼女は、アトレウス・グループCEOのコンスタンティンに突然婚約破棄され、絶望のどん底に落とされたのだ。今になって、私になんの用があるというの?いぶかる彼女にコンスタンティンは告げた。亡き父が彼に莫大な借金を負っていたと。いったいどうすればいいの?借金を返す手立てなどあるはずもない。「君が借金を返せなければ会社をもらう」彼は氷のように冷たいまなざしで、シエナを見据え…?!人気ベテラン作家の新5部作、傲慢な大富豪たちの愛憎劇。
レイチェルは暴漢に襲われかけたところを、たくましい男性に助けられた。夜道で顔も見えないというのに、その男性の発する危険な香りは暴漢以上だ。震えるレイチェルを残し、彼は名乗りもせずに立ち去った。だが翌日、その男性がカレン・ローガンだとわかって、レイチェルは愕然とするが、なぜか激しく胸が高鳴った。この町に彼を温かく迎えるものなど1人もいない。15年前、謎の死をとげたカレンの父親を殺害したのは彼だという噂が流れているというからだ…。彼女は、僕のような男が触れていい存在ではないー元特殊空挺部隊の鋼のような肉体で、カレンはレイチェルへの愛に煩悶する。