著者 : フィリップ・マ-ゴリン
人里離れた山小屋で発見された恐怖の手術室。周辺の山林からは、さらにおびただしい数の死体が掘り出される。犯人は犠牲者を拷問して殺し、さらには彼らの臓器を闇のルートで密売していたのだ。逮捕された医師カルドーニは、すぐに腕利き弁護士のフランクに弁護を依頼してくる。フランクの娘で新米弁護士のアマンダは、父の助手として事件の調査にあたるが、依頼人カルドーニに対する不快感を抑え切れなかった。動かぬ証拠を前に、誰もがカルドーニの有罪を信じて疑わなかったが、公判は思わぬ展開に…そして、アマンダは恐るべき事件の渦中に巻き込まれていった!予測不可能の結末まで、逆転の連続が読者を襲う。サスペンスの名手がまたも放つ戦慄の話題作。
刑事たちは呆然と、眼の前で展開されている活人画を凝視した。床の上には、男の射殺死体が横たわっている。そしてベッドの上には、白いガウンを血しぶきに染め、射殺された夫の身体を抱き、片手に拳銃を握りしめた女性が、涙に濡れ、悲痛に顔を歪めて腰掛けていた。元警官で、州の上院議員をつとめるエレン・クリースを見舞った悲劇は、センセーショナルな話題を呼んだ。合衆国上院議員への熾烈な選挙戦をくりひろげている彼女が、自宅に侵入して夫を殺害した強盗を、逆に射殺したのだ。世間は悲劇のヒロインに強い同情を寄せ、支持率は上昇する。だが鑑識による現場の調査は意外なことを物語った。血痕の鑑定結果をもとに、警察はエレンを逮捕、殺人罪で起訴したのだ!思わぬ展開に、世間の注目は裁判に集まる。高潔な人柄で知られるクィン判事が、事件の審理を担当することになった。だがその矢先、判事は予想もしなかった事件に巻きこまれ、窮地に立つ。事件の背後には何者かの意志が動いているのか…。二転三転、予測不可能の展開。『黒い薔薇』の著者がはなつ、サスペンスの新たなる頂点。
オレゴン州の片田舎ウィタカーで公選弁護人を務めるピーター・ヘイルは、数週間前まで父が経営するポートランドの大手法律事務所で働き、経済的にも父の援助で何不自由ない生活を送っていた。ところが、自らの無知と過信が招いたミスで大切な訴訟に惨敗。怒った父から、勘当同然でウィタカー行きを命ぜられたのだった。そんなある日、地元の女子大生が惨殺され、殺人容疑で知的傷害を持つ青年ゲイリーが起訴された。世間の注目を集めるこの裁判を勝利に導けば、莫大な報酬を手にすると同時に、父に自分の実力を認めさせることができる。不純な動機からゲイリーの弁護を引き受けたピーターだったが、天衣無縫な被告の人となりに接するうちに、次第に弁護士としての自覚と誇りに目覚めていく。だが、検察側の態勢は磐石。ピーターは不利な証拠の数々を突き崩すことができるのか!?人間ドラマの魅力とけれんたっぷりのミステリ趣向。“読者を眠らせない作家”マーゴリンがその真骨頂を発揮した疾風怒濤のサスペンス。
夫の最高裁判事を殺害した容疑で突如、起訴された美貌の検事補アビー。彼女の弁護に立つのは、連戦連勝の辣腕弁護士レイノルズ。そして検察側の証人として出廷するのはかつてアビーに訴追され、死刑判決を受けた卑劣な殺人犯ディームズ。アビーに圧倒的に不利な状況のなか、レイノルズに秘策はあるのか。やがて激しい法廷戦の末、驚愕の真実が-裏あり、謎あり、仕掛けあり、読み始めたら止まらない『黒い薔薇』につづくノンストップ・サスペンス。