著者 : フォルカー・クッチャー
1931年のその日、ベルリン警視庁殺人課警部のラートを呼び出した副警視総監の機嫌は最悪だった。ニューヨーク・ギャングの殺し屋と目されている危険人物ゴールドスティンがベルリンに来訪しているというのだ。その目的は一切不明。犯罪組織リングフェラインが、彼に殺しを依頼したのだろうか?だれもが疑心暗鬼になる中、ラートはこの男の二十四時間の監視を命じられるが…。ベルリン・ミステリ賞受賞シリーズ!
警官に仲間を殺され、復讐を誓う窃盗犯の少女。アメリカの殺し屋はベルリン来訪の目的を明かさず、対立する犯罪組織は相手方がこの危険人物を招いたのではないかとパニックに。そんな中で、無理難題を次々と抱えていくベルリン警視庁のラート警部と恋人チャーリー。激動の時代背景を巧みに織り込みながら、抜群のストーリーテリングで読者を強烈に牽引する、警察小説の白眉!
映画が喋りはじめた1930年のベルリンで、将来を嘱望されていた女優が撮影中に痛ましい死を遂げた。事故で片付けようとする上司に反発し、ベルリン警視庁殺人課のはみ出し者ラート警部は、またもや独自に動きだす。刑事としての矜持ゆえ、さらには自らの栄達のため。光と影が交錯する映画界と巨大都市を、ラートは東奔西走するが…。ベルリン・ミステリ賞受賞の傑作警察小説。
警視庁の内部でも、捜査先でも次々と問題を起こし、身動きが取れなくなっていく刑事ラート。そんな中、不可解な状態の女優の屍体が発見される。屍体に施された異様な細工は何を意味するのか…?ナチスが政権を獲得する前、人々が自らの信念に忠実でありえた最後の時代、ラートはいかにして刑事としての矜持を示すのか。現代ドイツ・ミステリの豊饒を体現する、傑作警察小説。
1929年、春のベルリン。ゲレオン・ラート警部が、わけあって故郷ケルンと殺人捜査官の職を離れ、ベルリン警視庁風紀課に身を置くようになってから、一ヶ月が経とうとしていた。殺人課への異動を目指すラートは、深夜に自分の部屋の元住人を訪ねてきたロシア人の怪死事件の捜査をひそかに開始するが…。今最も注目されるドイツ・ミステリが生んだ、壮大なる大河警察小説開幕。
怒涛の日々を送るベルリン警視庁のラート警部。ベルリンを震撼させる殺人事件の謎、消えたロシア人歌姫の消息、都市に暗躍する地下組織、ひそかにベルリンに持ち込まれたとささやかれる莫大な量の金塊の行方…。予測不能の成り行きで、絶対絶命のピンチに陥ったラートに光明は射すのか?転換期の首都と人を鮮やかに活写する、傑作大河警察小説。ベルリン・ミステリ賞受賞作。