著者 : フランセスカ・ショー
最愛の放蕩貴族との結婚。 それは、私の片恋を証明するだけの結婚。 家族に自由を奪われてきたソフィアはある夜、こっそり外出に成功した。 だが帰り道に何者かによって、見知らぬ屋敷へ連れ去られてしまう。 そこにいたのは、なんと彼女が密かに想いを寄せるワイアット卿! 彼は駆け落ちした妹を捜していて、ソフィアは人違いされたのだった。 そうと知った彼女はぜひ力になりたいと、彼と妹捜しを始める。 しかし行方がつかめないまま、宿を取らざるをえなくなった夜、 ワイアット卿からキスと抱擁を受け、ソフィアは思わずつぶやいた。 「愛しているわ」その瞬間、拒絶され、彼女の頬を涙がこぼれ落ちた。 このままでは、彼に置き去りにされてしまう……。意を決した彼女は、 翌朝まるで別人になったーー男装をし、長い髪をばっさり切り落として! ワイアット卿はソフィアが供も連れずに彼と二人で過ごしたことや、レディともあろう者が少年の格好をして彼と行動を共にしたことを考え、ある結論に達します。それは、名誉にかけて彼女と結婚することでした。愛する人と愛なき結婚などしたくないソフィアは……。
母と妹のため二重生活をする娘は、 生涯独り身を覚悟したが……。 3年前、父の死に伴い、カミラは母と妹を連れて別の地へ移り住んだ。 上流階級でありながら一家の経済状態は困窮しており、 カミラは家族にも内緒で、扮装して“リゼット”の名で舞台に立った。 はしたないと揶揄される仕事で日銭を稼いでいるのが明るみに出れば、 社交界から軽蔑され良縁は望めないため、一生独身を貫くつもりで。 しかし、ようやく目処が立ち、これを最後と仕事を引退した夜、 彼女は賊に襲われ、舞台を見ていたアシュビー伯爵ニコラスに救われる。 すてきなお方……。でも、“リゼット”の正体は、絶対に明かせない。 朝まで護衛すると言われたが、彼女は不意をついて逃げ出した。 後日、さるレディの家で、カミラは妹から紹介された男性を見て凍りつく。 「カミラ、こちらはアシュビー伯爵。お近づきになりたいそうよ」 リゼットの美しさに魅せられた伯爵は、じつのところ、彼女を誘惑できるか友人と賭けていました。その後、カミラと出会って心惹かれた彼は、どこかで会ったような印象がぬぐえないでいましたが、彼女は否定して……。二人の美女に惑わされる放蕩伯爵の運命は?