著者 : ブライアン・キャリスン
地中海で密貿易にいそしむトラップ船長のもとに、米軍特殊部隊のウェストン大佐と名乗る男が現われた。彼はトラップに、自分の部隊をリビアに上陸させてくれれば2百万ドルを支払うと告げた。巨額の報酬につられたトラップは、老朽貨物船カロン二世号で北アフリカ沿岸へと向かった。そして中東は、彼の無責任な行動によって戦火の渦に巻きこまれる。史上最悪の船長がまたまた暴れまわる痛快無比の海洋冒険アクション。
スコットランドの石油貯蔵基地に錨をおろしたマンモス・タンカー〈カローリア〉。ペルシャ湾から長途の旅を終え、これから積載した12万トンの原油を積下ろすのだ。だが、見る者を威圧する外観の下では、恐るべき事態が進行していたー。老朽化した船内ではさまざまなトラブルが発生、航海士のミスと偶然が積み重なり、船はまさに壮絶な死を迎えようとしていたのだ。巨大タンカーに潜む危険を克明に描く海洋サスペンス。
死んだ父親が愛用していた航海用具の六分儀。それが息子のジョナサンの前に突然現われた。警察から渡された六分儀を見て、彼はわが目を疑った。貨物船の船長だった父は第二次大戦中Uボートの魚雷を受け、船もろとも嵐の海に沈んだ。そのとき六分儀も一諸に沈んだはずなのだ。乗組員は全員死亡している。では、なぜ?警察の話では、六分儀はスコットランドの村で盗まれたものだという。不可解な謎を解くため、ジョナサンは恋人と調査を始めたが…やがて明かされる父と乗組員の驚くべき運命とは?海洋冒険小説とミステリを結合させた力作。
すべての発端は、船内で起きた乗組員同士のささいな喧嘩だったー24時間後にはスコットランドのフォース湾に到着する予定の英国貨物船オーライガ号。その食料貯蔵庫で起きた騒ぎは、船内に正体不明の“狂気”を解き放った。乗組員のある者は体の不調を覚え、ある者は幻覚に悩まされ始める。しだいに制御を失いながら驀進する大型船。その行く手には巨大なフォース橋が!果たして最悪の事態は回避できるのか?海の男たちと船を描かせては並ぶ者のない冒険小説界の鬼才が、姿なき恐怖に襲われた船の姿を克明に捉えた迫真の海洋サスペンス。
ナチ・ドイツの猛攻にあえぐ英国に、生活必需物質を運ぶ老朽輸送船団。その最後尾を進むオリンピアン号は、幾多の航海を乗り切った古強者だった。老練な船長、有能なエリス一等航海士以下、いずれ劣らぬ海の男たちは、Uボートの跳梁する海域を抜け、あとわずかで味方の勢力圏内に入ろうとしていた。不屈の英国商船隊魂を雄々しく謳いあげる海戦小説の白眉。
老朽船で密入国者を運ぶ途中、トラップ船長はアラブ人の一団に拉致された。怪しげな男の前に連行された彼は、そこである仕事を強要される。貨物船の船長となり、積荷を所定の港へ届ける。その後で船を沈めろというのだ。事故に見せかけて保険金をだまし取る計画だった。だが奇妙なことに、この貨物船は中国人ギャングに狙われていた。しかも、英国情報部の密命を帯びたトラップの元副長ミラーも乗り込んできた。貨物船にはどんな秘密があるのか?二転三転するプロット、巧みなユーモアー現代の荒海を舞台に描く『無頼船長トラップ』の続篇。