著者 : ヘニング・マンケル
小島に一人住む元医師の家が火事に 男はすべてを失ったうえ、放火の疑いをかけられる だがその後、周囲の島でも放火らしき家事が連続して発生・・・・・・ 〈刑事ヴァランダー・シリーズ〉で人気の北欧ミステリの帝王最後の作品 一人孤島に住む、元医師のフレドリックは、就寝中の火事で住む家も家財道具もすべてを失う。その後警察の調べで火事の原因が放火であったことが判明、さらに自分の家に火を付けたと疑いをかけられてしまう。そんなとき、離れて住む娘のルイースから、パリで警察に捕まっているので助けて欲しいという電話が入る。フレドリックは単身パリに向かうが……。CWAインターナショナルダガー賞を受賞した、北欧ミステリの帝王最後の作品。
ひとり島に住む元医師フレドリック。ある日彼のもとに、四十年前に捨てた恋人ハリエットがやってくる。治らぬ病に冒された彼女は、星空のもと森のなかに広がる美しい湖に連れていくという昔の約束を果たすよう求めに来たのだ。かつての恋人の願いをかなえるべく、フレドリックは島をあとにする。だが、その旅が彼の人生をを思いがけない方向へと導いていく。〈刑事ヴァランダー・シリーズ〉の著者が描く、孤独な男の希望と再生の物語。
北欧ミステリの帝王ヘニング・マンケルが生んだ名物刑事、クルト・ヴァランダー。そんな彼が初めて登場したのは『殺人者の顔』だが、本書はヴァランダーがまだ二十代でマルメ署にいた頃の「ナイフの一突き」「裂け目」から、イースタ署に移ったばかりの頃に遭遇した事件「海辺の男」「写真家の死」を経て、『殺人者の顔』直前のエピソード「ピラミッド」に至る5つの短編を収録。若き日のヴァランダーの成長を描いた贅沢な短編集。
凍てつくような寒さの未明、スウェーデンの小さな谷間の村でその惨劇は起きた。ほぼ全ての村人が惨殺されていたのだ。ほとんど老人ばかりの過疎の村が、なぜ?休暇中のヘルシングボリの女性裁判官ビルギッタは、亡くなった母親が事件の村の出身であったことを知り、ひとり現場に向かう。事件現場に落ちていた近くの中国料理店の赤いリボン、ホテルの防犯ビデオに映っていた謎の人影…。事件はビルギッタを世界の反対側へ、さらに過去へと導く。北欧ミステリの帝王ヘニング・マンケルの集大成的大作。
殺人現場となった母の実家を訪れたビルギッタは、密かに数冊の日記を持ち出した。その中に記された“ネヴァダ”の文字が目に飛びこんできたからだ。それはスウェーデンの寒村で起きたのと似た血塗られた事件があった土地。日記は1860年代に書かれており、アメリカ大陸横断鉄道敷設工事の現場監督が残したものだった。貧しさにあえぐ19世紀の中国の寒村、西部開拓時代のアメリカ、そして発展著しい現代の中国、アフリカー。現代の予言者マンケルによる、ミステリを超えた金字塔的作品。
19歳と14歳の少女がタクシー運転手を襲う事件が発生。逮捕された少女たちは金ほしさの犯行だと自供、反省の色はない。あまりにふてぶてしい二人の態度。尋問の席で母親を殴った少女に腹をたてたヴァランダーは思わず彼女に平手打ちを食らわせてしまう。ところがその瞬間の写真を新聞に掲載されてしまったのだ。孤立感に苛まれるヴァランダー。北欧ミステリの巨匠の傑作シリーズ。
タクシー運転手殺害で逮捕された少女が脱走、死体となって発見された。単純なはずの事件が一気に様相を変える。一方、病死だと思われたITコンサルタントの死体がモルグから盗まれ、代わりに少女との繋がりを疑わせるものが。調べ始めたヴァランダーは、コンピュータに侵入するため、天才ハッカー少年の手を借りる。新しい時代の犯罪に苦しむヴァランダー。人気シリーズ第八弾。