著者 : ベリンダ・バウアー
視える女視える女
ロンドン南東部の下町で、冬の朝、四歳の少年ダニエルは突然姿を消した。目撃者も身代金要求もないまま四カ月が過ぎ、心を病んだ母親アナは列車に飛びこもうとしたところを刑事マーヴェルに救われる。彼もまた一年前に消えた少女を捜していた。そんな折、アナは以前警察に協力した霊能者の交霊会に参加する。刑事は捜査の助けにもならず金だけもらった男の力を疑うが、その夜を境にアナはふしぎな声や光景を視るようになる。異常の兆候なのか、何らかのメッセージなのか。奇妙な接点で結ばれた失踪事件の行き着く先はー。CWAゴールド・ダガー賞最終候補作。
ブラックランズブラックランズ
十二歳の少年スティーヴンは、今日も母の弟ビリーの遺体を捜してヒースの茂る荒野にシャベルを突き立てる。十九年前に起きた連続児童殺害事件以来、被害者の母となった祖母は心を閉ざし、母もまた鬱屈した感情を抑えることができない。傷の癒えない家族を変えるためには、ビリーの遺体を発見し、事件を完全に終わらせるしかないと考えたスティーヴンは、やがて殺人犯である獄中のエイヴリーと手紙のやりとりを開始する。猟奇的殺人犯と十二歳の少年の危険な往復書簡は、次第に二人を思わぬ方向に導く…。英ゴールドダガー賞にノミネートされた傑作スリラー登場。
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