著者 : ベン・アーロノヴィッチ
きっかけはロンドン郊外で起きた交通事故だった。車内にあった謎の血痕から、やがて顔を散弾でつぶされた女性の死体が森の中で発見される。そして都市計画を担当する役人の不可解な投身自殺に、身体を内側から焼かれたプロの金庫破りの死体…すべての事件に“顔のない男”の魔手が見てとれた。事件を追ううちに、ピーターとレスリーはドイツから亡命した高名な建築家が設計した高層住宅“空中庭園”へと行き着くが…
午前3時、殺人課のステファノポウラス警部の電話で、ぼくはたたき起こされた。「まっとうな警官なら仕事にとりかかる時間だよ」若い男の死体が、地下鉄ベイカー・ストリート駅の構内で発見されたのだという。すぐに駆けつけて調べてみると、魔法で作られた陶器のかけらで刺されていた。こんな時間になぜ、どうやって地下鉄に入りこんだのか?捜査を続けるうち、ぼくは古都ロンドンの地下迷宮へと迷いこんでいった…
歓楽街ソーホーで奇妙な事件が多発した。ジャズ・ミュージシャンが演奏直後、あるいは帰宅途中に相次いで突然死したのだ。その体から魔術の痕跡をかぎとったピーターは、ただちに捜査を開始する。死体はみな古いジャズの名曲『ボディ・アンド・ソウル』を奏でていたのだ!だがその直後、高級クラブの地下トイレで、魔術師とおぼしき男の惨殺死体が発見される。やがて事件の背後に、妖しい魅力をもつ女と黒魔術師の姿が!?
二年間の見習い期間を終え、新米巡査ピーターの配属先が決まった。特殊犯罪課!第一希望の殺人課でこそないが、事務処理仕事よりはずっとましだ。意気揚々と上司のもとへと向かうが、主任警部のナイティンゲールから衝撃の事実を明かされる。自分は英国唯一の魔法使いであり、これから二人で特殊な犯罪ー悪霊、吸血鬼、妖精がらみの事件を捜査するのだと!?かくて魔術師見習い兼新米警官の驚くべき冒険がはじまる。