著者 : マイク・レズニック
「本当の楽園だったときのペポニにいたかった」ペポニにまつわる話を集めるブリーンに思い出を語る者は、一様にそういう。惑星ペポニースワヒリ語で楽園を意味する名前のこの星に、人々はなにを求めたのか?宝石の眼を持つ大型獣の狩猟に命を賭けた凄腕ハンターのハードウィク、独立を望む原住異星人と人類の闘争の時代を生きた女性作家アマンダ…。さまざまな時代の生き証人たちが語る、楽園という名の惑星の年代記。
宇宙軍のベッカーは、軍法会議の弁護人に任ぜられた。被告は、突如ふたりの部下を射殺した軍艦の艦長。目撃者がいたにもかかわず、艦長は“自分はふたりを殺していない”と主張しているー。彼らは異星人だったから、殺人ではないという理由で。宇宙軍に異星人が潜入している。半信半疑で調査をはじめたベッカーは、いつしか危険きわまる罠に足を踏みこんでいた。人気絶頂レズニックのエンターテインメントSF快作。
銀河暦6303年、〈調査局〉に勤めるロハスのもとに最後のマサイ族マンダカが訪れた。三千年以上、所在不明になっているキリマンジャロ・エレファントの象牙を見つけてほしいという依頼だった。調査を始めたロハスは、悠久の歴史の中でこの史上最大の象牙がたどった数奇な運命と、象牙にかかわった人々の織りなす多様なドラマを垣間見ることになる…。アメリカSF界で人気絶頂のレズニックが満を持してはなつ銀河叙事詩。
銀河系を股にかけた賞金稼ぎたちの間で、30年来囁き交わされている幻の名があった。“サンティアゴ”。悪業の限りを尽くし巨額の懸賞金をかけられたこの男は、数多の追撃をかわし、今も正体を謎に包んだままだった。今日もまた一人の男がサンティアゴを追って〈辺境〉へ流れてくる。彼の名はカイン。元革命家の、名うての賞金稼きだ。ヒューゴー賞作家が贈る、遥かなる未来叙事詩。
幻の男サンティアゴを追ういくつもの人間の足跡が、いまひとつに交わろうとしていた。そこには様々な思惑が入り乱れていた。ある者は自らの名声のために、ある者は彼にかけられた巨額の懸賞金のために、そしてある者は…。最後にサンティアゴと雌雄を決するのははたして誰か?悪にまみれた彼の経歴に隠された真実とは?遥かなる大銀河の追跡行は、いかなる結末を迎えるのか。
うだつのあがらない私立探偵のマロリーは、大晦日の夜、ひとり寂しく酒を飲んでいた。すると緑色の妖精が出現して、盗まれた一角獣を探してほしいという。すべてはアルコールの幻覚症状かと思われたが、どうやら妖精はほんとうに目の前にいるらしい。現実の世界になんの未練もないマロリーは妖精に案内されて異次元のマンハッタンへと旅立つが…。ハードボイルド、ファンタジイ、RPGの要素がブレンドされた異色作。