著者 : マギー・コックス
彼と身も心も愛し合えたら……。 でもそれは、けっしてかなわぬ夢。 同性愛者だという夫の衝撃の告白。リリーは愛されなかった 不幸な結婚生活に終止符を打ち、イタリアへ移り住んだ。 花咲き香る美しい家で、大好きな絵を描く静かな日々はしかし、 突如迫られた立ち退きを拒んだため乱されることに。 説得に現れた家主のバスティアンーーハンサムな黒髪の大富豪の 魔力に、リリーはたちまち心奪われてしまったのだ。 一度でいい、女として認められたい。切なる願いに身を焦がし、 愚かにも身を捧げた。やがて妊娠を知った彼に 義務感からプロポーズされ、傷つくことになるとも知らず。 夫と妻としてベッドは共にしても、そこに愛はない。魅惑の大富豪に持ちかけられた冷たい取り引きに苦悩するヒロイン。二度までも愛のない結婚生活に身を投じるのは屈辱的でしたが、生まれてくる子供のため、孤独に耐えると決めて……。
ホテルのバーで働くアナは、ひとりの男性客に目を引かれた。 ハンサムな顔を曇らせ、ひどく悲しげな様子だ。 どうしても放っておけず話しかけると、 ダンと名乗った男性は自分のスイートルームに彼女を誘った。 アナは迷った末に彼の悲しみを癒やそうと決め、情熱の一夜をともにした。 5年後、ホテルの副支配人となったアナに、オーナー夫妻は告げた。 経営難を乗り切るために投資家の援助を受ける、と。 投資家との顔合わせの日、アナは相手を見て驚愕した。 ダンテと紹介されたその男性こそ、あの一夜限りの彼ーー アナの4歳になる娘の父親だったから。 アナが5年前に熱い一夜をともにした相手はイタリア出身の大富豪ダンテでした。衝撃の再会を果たした夜、強引に部屋へやってきた彼に娘の存在を知られ、義務感からだけの結婚を申し込まれますが……。M・コックスの胸が切なくなる再会物語をお楽しみください。
わたしは明日結婚するーー 愛する女性を亡くした富豪と。 〈僕には君しかいない。君を命がけで愛している〉 冷淡な男性に騙されて深い傷を抱えていたイモージェンは、 古本の詩集に挟まれていた愛の手紙に心を揺さぶられた。 これほど愛情深い人に、ひと目でいいから会ってみたい……。 手紙の主を探し当て、壮麗な館にたどり着いた彼女は 大富豪セスに迎えられ、いつしか互いに身の上話をしていた。 恋人を亡くして以来、人を愛せなくなったというセスは 彼女の過去を知ると、愛情の介在しない便宜結婚を提案した。 僕は君を捨てたろくでなしとは違う、信じてほしいと言って。 過去の傷に苦しみながらも愛を諦めきれず、すでに彼に惹かれ始めていたイモージェンでしたが、悩んだ末に愛なき結婚に同意します。叶わぬ恋に身を焦がしながら豪奢な結婚式に臨む無垢な花嫁の運命は……。愛なき富豪と夢見る乙女の切ないシンデレラストーリー。
内気なケイトは、旅先のミラノで出会った男性、 ジャンルカ・デ・ロッシと激しく惹かれ合い、一夜をともにした。 だがいたたまれなくなり、翌朝何も言わずに逃げ出してしまう。 どんな代償を支払うことになるのか、知りもせずにーー それは、予期せぬ妊娠と、ジャンルカとの思いがけない再会だった。 数カ月後、悪阻に苦しみながら新しい派遣先に向かったケイトは、 ジャンルカが世界的に有名な実業家だったことを知る。 「なぜ黙って僕のベッドから出ていった?」彼は激怒している。 彼のもとで働くなんて……ケイトは何も言えず、ただ震えていた。 いまも消えない彼への想いと、込み上げる吐き気と闘いながら。 初めて愛した男性に「ただの情事だ」と言われるのが怖くて、逃げ出してしまったヒロイン。けれど実はヒーローも、彼女に去られたことに傷ついていてーー。マギー・コックスが贈る大人のロマンスは、予期せぬ妊娠をきっかけにした、癒やしの物語です。
汚れなき秘書は罠に落ち、 独り愛し子を慈しみ育てた。 シーク・ザフィールの別邸の外壁からダーシーは転落した。 彼が結婚する前に息子の存在を伝えなければと焦った結果だった。 ザフィールに会うのは、彼の秘書から恋人になったダーシーが ほかの重役に唇を奪われ、激怒した彼に捨てられて以来だ。 護衛とともに現れた彼は、ダーシーを抱き上げて邸内へ運んだ。 高貴な顔立ち、流れるような黒髪、心をかき乱す漆黒の瞳ーー この4年、幾夜となく夢に現れたザフィールの魅力を前に ひどく狼狽しながらも、ダーシーは言葉を絞り出した。 「あなたに解雇されたとき、私は妊娠していたの」 ダーシーへの不信感をあらわにしつつ、検査で事実が確認できるとザフィールは政略結婚を白紙に戻し、彼女を后として国に迎えます。未知の国の宮殿で暮らしはじめた母子を待ち受ける運命とは……。異国情緒あふれる魅惑のロイヤル・ロマンスをお楽しみください。
ロンドンのアンティークショップで働くローズは、フランス人実業家ウジェーヌ・ボネールの来訪を待っていた。入院中の店主に頼まれて、この店をぜひ買い取りたいという彼とうまく交渉し、有利に契約をまとめる必要があった。現れたウジェーヌの青い瞳に魅せられ、ついぼうっとなった彼女は、すぐに後悔した。彼は拒めないほどの大金を積んで条件をのませると、さらに契約書類はローズが別荘まで直接届けるように命じたのだ。ローズはしぶしぶ別荘のあるスコットランドの孤島に小舟で向かった。あいにくの嵐の中、出迎えた彼が囁く。「今夜は帰れない