著者 : マクシーン・サリバン
ラーナはヴァレンテ社重役のボスーマットに夢中だった。その端整な容貌と自信に満ちた態度は、全女性の憧れの的だから。ある夜、マットに誘惑され、夢のような一夜を過ごしたものの、妊娠に気づくと、彼に何も言わず会社を去って赤ん坊を産んだ。1年半後、突然マットが家に現れ、ラーナは驚きに言葉を失った。名うてのプレイボーイであるマットは、結婚するつもりも父親になるつもりもないはずなのに!ところがマットは赤ん坊に自分の誇り高き姓を与えるため、1年限りの結婚をラーナに提案し、拒むなら法に訴えると脅した。寄る辺のないラーナは式場で誓いのキスを交わすしかなく…。
ジェンマは幼い息子が入院する病院で、テイトに再会した。2年前、パーティで出会った、男らしい魅力あふれる億万長者のテイト。お互い一目惚れだったけれど、無のような日々は長くは続かなかった。わずか数週間後、ジェンマは身に覚えのない浮気を責められて、ペントハウスを追い出され、熱烈な恋は無残に砕け散ったのだった。その後妊娠に気づいたジェンマは、ひとりで赤ん坊を産んだ。自分の子だと知ったら、親権を奪われてしまうかも…。慌てて立ち去ろうとする彼女の動揺を、テイトは見逃さなかった。「この子の父親は、ぼくだな?」赤ん坊をひと目見るなりそう言うと、彼は、親権を奪うよりひどい提案をした。
秘書のキアは直属の上司に頼まれて恋人役を演じなければならなくなり、そのときから、社長ブラントの侮蔑と欲望のまなざしを感じていた。直属の上司の元恋人を妬かせるための偽りの関係とは知る由もなく、ブラントはキアを金目当てで男に近づく女狐だと思い込んでいるのだ。密かにブラントを慕うキアは、潔白を証せないのがもどかしいと同時に、彼のような、もてる男性を避けたい理由もあった。母を傷つけた女癖の悪い父と同類に思えるのだ。幼い頃、父に醜いと疎まれた心の傷のせいで、男性と距離をおいてきた。そんなキアの複雑な思いなど知らず、自分が迫ればいちころとばかりに、ブラントは熱い瞳に蔑みの色をにじませ、誘惑の魔手をのばすがー
ジェンマは幼い息子が入院する病院で、かつての恋人テイトに再会した。1年前、パーティが出会った億万長者のテイト。男らしい魅力あふれる彼にジェンマはたちまち虜になり、その夜のうちに情熱を分かちあった。けれど、夢のような日々は長くは続かなかった。わずか数週間後、ジェンマの恋心はずたずたに引き裂かれたのだ。身に覚えのない浮気を責められ、ペントハウスを追い出されて。その後妊娠に気づいたジェンマは、ひとりで赤ん坊を産み育ててきた。このまま秘密を隠し通さなくては。テイトに息子の存在を知られたら、親権を奪われるかもしれない。慌てて立ち去ろうとする彼女の動揺を、テイトはしかし見逃さなかった。そして赤ん坊をひと目見るなり言った。「この子の父親はぼくだ」それは、ぞっとするほど冷たい声で…!?