著者 : マリオン・ジマー・ブラッドリー
〈百王国時代〉。ファルコンズワードに生まれ育ったロミリーは、動物と交感し、調教することのできる稀有な〈ちから〉を受け継いでいた。だが、それだけの能力を持ちながらも、女であるがゆえに認められぬロミリー。彼女はついにファルコンズワードをあとにするが…。おりしもハスター家の王位をめぐる争いは、カダリン川を越えようとしていた。
ファルコンズワードを離れ、少年を装って続けていた旅の日々にも、終止符が打たれるときがやってきた。ロミリーは、ソードウーマンの誓いをたて〈剣の姉妹〉のメンバーとなる。そしてカロリン王の女鷹匠として迎えられるが、ハスター家の争いは、超能力兵器をもちいた全面戦争へと向かつつあった。少女の成長を綴ったブラッドリー入魂の大作。
時は5世紀。ブリテンはキリスト教とドルイド教の二つの世界に分裂し始めていた。このままでは、蛮族の相次ぐ侵攻を食い止めることもかなわない。この窮状を切りぬけるにはまず、相異なる二つの宗教が共存できる統一されたブリテンを造り、指導する人物が必要だった。そこで聖なる島アヴァロンの女王と魔法使いマーリンは、ブリテンの運命を担うべき人物の両親として女王の妹とウーゼル王に白羽の矢を立てた。だが、女王の妹はすでに他の王と結婚していた…。妖姫モーゲンの視点からアーサー王伝説を語り直した超ベストセラー作品、遂に登場。
季節はずれの奇妙な嵐がヘラーズを揺るがし、雷鳴が不気味に轟く夜、ひとりの赤ん坊が産声をあげた。名はドリリス、アルダラン卿ミカイルのひとり娘である。ドリリスは父の愛を一身に集め、美しく成長する。が、彼女は雷を自由に操る、おそるべきラランの持ち主だったのだ。読者の要望に応え、ついに書き上げた、〈混沌の時代〉のエピソード。
〈塔〉の〈監督者〉レナータの厳しい指導のもと、ドリリスは次第に〈ちから〉をコントロールする術を身につけていった。だが、アルダラン城の平和な日々にも、やがて暗雲がきざしはじめる。やがて、マトリクス技術と超能力のかぎりをつくした、凄絶な戦いの火蓋が切って落とされた。ブラッドリー入魂の力作巨編、いま悲劇のクライマックスへ。
季節は冬。キャットマンの脅威は去ったが、アンドリューとカリスタの新しい生活は、けして容易なものではなかった。地球人とコミンのあいだの壁のみならず、彼女の深層心理に刻みこまれた〈監視者〉ゆえの壁があったのだ…さらに、アンドリューに敵意を抱く、オルトン家の私生児ディージの存在。ヒューゴー賞候補となった、『カリスタの石』続編。
アリリンの権威者レオニーに、〈塔〉の掟に律された〈監視者〉の悲劇を訴えるデーモン・ライドナウ。が、あくまでも頑なな彼女は、彼ら4人が〈上界〉につくりあげた〈禁断の塔〉を〈監視者〉の掟に背くものと断じる…。〈監視者〉に、ありうべき姿を取り戻さんと抵抗するデーモン。未来をもたらすのは、果たしてアリリンか、〈禁断の塔〉か。
地球帝国諜報員マグダ・ローン。彼女の同僚であり、かつての夫、ピーターが調査活動中に消息を絶った。彼の身を案じるマグダのもとに、ある日、驚くべき知らせがもたらされる。ピーターは、アーデス家の長男キリルと間違われ、悪名高きヘラーズの山賊ル・マルに人質として捕えられているというのだ。マグダは、単身、冬のヘラーズに向かうが…。
〈七領土〉の法の及ばぬ地,ドライ・タウン。血の色の夕陽を背に、野営する一団の姿があった。彼女らーフリー・アマゾンがアーデス家のロアーナから受けた密命とは、13年前この地の暴君ジャラクに連れ去られた従姉妹メローラを救出することだった…。はたして襲撃は成功するか。運命の子、メローラの娘ジュエルは、このときまだ12歳である…。
レジス・ハスターとルー・オルトンー世継ぎであるがゆえの苦悩と摸索の日々を送る2人。一方、コミンと地球帝国との軋轢は、遠くアルダランの地にその影を落とし始めていた。父ケナードの命により、カエル・ドンに赴くルー。が、そこで彼を待ち受けていたのは、世界の未来を賭した計画であった…。躍動感あふれる、ブラッドリーの最高傑作。
山岳地帯カエル・ドン。ルー・オルトンはベルトランに乞われるまま、〈輪〉の試験にとりかかる。しかし彼らが必要としていた強力なマトリクスとは、ほかならぬ忌わしきシャーラのそれであった…。やがて人々の支配を越え、破壊に目覚めるシャーラ。この危機を回避できるのは、ルー・オルトンただひとりだった。そしておとずれる、壮大な悲劇。
地球帝国情報局員カーギルのもとに現れた、妹ジュリ。6年前カーギルを裏切り、妹と結婚して以来、消息不明だったかっての同僚ラカール・センサーが、ひとり娘を連れて失踪したという。事件の影に、帝国の“闘争なき支配”に叛旗をひるがえす一団があった…。赤い陽光に照らされた惑星ウルフを舞台に、カーギルの終わりなき追跡行が幕を上げる。
地球人技師アンドリュー・カーの搭乗する帝国籍航空機は突然の嵐に遭難、ヘラーズ山脈に墜落する。雪嵐の中、生死の淵をさまよう彼の前に、いざなうように現われる少女の幻影…。その頃、7大家系のひとつ、ライドナウ家のデーモンは、オルトン家の所領へと急行していた。ひとりの〈監視者〉が失踪したというー少女の名を、カリスタといった。