著者 : マーク・ベレント
F-4ファントム戦闘機を駆るバニスター少佐は、ミグ四機を撃墜した名パイロットだった。彼の望みは、あと一機撃墜して東南アジアで最初のエースになること。だが、大統領命令で、事実上ミグと空中戦を禁じられてしまう。かわりに彼に与えられた任務は、夜戦専門の精鋭対地攻撃部隊を編成することだった。ところが折悪しく、北ヴェトナム軍がテト攻撃を開始。休暇中だったバニスターは借り物のファントムで出撃する。
敵の攻勢は熾烈を極めた。特殊部隊のローカート中佐は、孤立した民間人を救出するため、戦闘のただなかに赴く。一方バニスターは敵の補給路を叩くため、夜間の対地攻撃作戦を開始。経験豊富なパーカー大尉の協力で、敵の強力な100ミリ高射砲を発見する。作戦を成功させるにはこれを破壊しなければならない。かくてバニスターらは、堅固な高射砲陣地に大胆な攻撃を敢行する。戦闘機乗りだけが描きえた迫真の航空小説。
アメリカは優れた航空技術と数を頼みに北ヴェトナムの空を制しようとしていた。ソ連は劣勢の北ヴェトナム空軍を支援するため、腕利きのミグ・パイロット、チェルノフ中佐を派遣。一方、アメリカで宇宙飛行士になる訓練を続けていたバニスター少佐は、横暴な将軍の策謀でふたたびヴェトナムへ戻ることに。激しさを加えるハノイ上空の戦場で、米ソの名パイロットが激突する。『ローリング・サンダー』に続く航空戦争小説。
陸軍特殊部隊のローカート中佐はヴェトナムで多くの特殊工作に従事していた。その彼に極秘命令が下る。敵の生命線であるホーチミン・ルートを叩くため、監視チームを率いて、必要な情報を収集せよというのだ。ローカートはチーム内に敵方の工作員がいるとも知らずにラオスに潜入する。そのころ上空では、バニスターとチェルノフの死力を尽くした闘いが繰り広げられていた…。本物の迫力を持つヴェトナム戦争小説の白眉。
ヴェトナム戦争で北爆が開始された頃、その最前線に三人の男たちがいた。宇宙飛行士になる夢を捨て、戦うためにヴェトナムへやってきた戦闘機パイロットのバニスター。戦場に出ることを志願し、伝書使になった青年パーカー。ゲリラ戦や仲間の救出任務に携わる陸軍特殊部隊の歴戦の勇士ローカート。さまざまな思いを秘め、彼らは非情な現実に立ち向かっていくが…。壮絶な闘いと愛と友情のドラマが展開する航空小説。
隊長機が墜落した事件がもとで、バニスターは危険な偵察任務に就かされた。一方、パーカーは友人の死を乗り越え、目標を攻撃機に指示するFAC(前線航空統制官)への道を歩み始める。ローカートは、復讐に燃えるヴェトコンの工作員に執拗につけ狙われるようになった。死と隣り合わせの任務を続ける彼らの前途に待つものは?地獄の戦場で闘う男たちの姿をリアルな筆致で描いて話題を呼んだ傑作巨篇。空軍版『プラトーン』。